第四章
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「そんな風になるよな」
「戦いだからな」
「本当に大丈夫かね」
「試合終わった後凄いことになるだろ」
彼等はこう考えていた、それは確信に近かった。
そうした危惧の中で試合を見守っていた、試合自体はごく普通のラグビーであり激しいが溌溂としたものだった。
試合が終わった、勝ったのはバランガのいるトンガチームだった、だが。
双方試合終了後お互いに握手をした、そしてだった。
抱擁もし合う、ユニフォームの交換さえしていた、しかもだ。
「よし、また飲むか」
「ああ、試合の打ち上げでな」
「ビール用意してるよ」
「肉もね」
「フルーツも出そう」
まるで友人同士であるかの様に親しく話をしていた、そしてだった。
バランガは彼等のところにも来て笑顔でこう声をかけてきた。
「貴方達もどうですか?」
「えっ、俺達もですか」
「参加していいんですか」
「パーティーに」
「参加費はいりますが、選手以外は」
バランガは笑って条件を出したした。
「それでもです」
「参加していいんですね」
「俺達もですか」
「はい、どうぞ」
笑顔で促す言葉だった、そしてだった。
彼等もバランガのその誘いを受けた、そのうえでパーティーに参加すると。
青い海が前に広がる砂浜で羊や魚をバーベキューで焼き様々なフルーツを出す、無論酒もこれでもかとある。
そういったものをトンガ側もニュージーランド側も笑顔で食べる、しかも双方仲良く談笑しながら、である。
「いやあ、ナイストライ」
「そちらこそ」
「あのファイト、よかったよ」
「今日も楽しかったな」
「またやろうな」
実に和気藹々としている、試合前にどちらも戦いの前を踊ったとは思えない。
その彼等を見てだ、日本の留学生達はまた驚いた、そして彼等だけで話すのだった。
「なあ、これってなあ」
「戦いの後じゃないよな、絶対」
「おっさん達の野球の後の打ち上げかよ」
「ビールと焼肉のな」
「そんな感じだよな」
「そうだよな」
こう話すのだった、彼等から見ればそうだった。
「なあ、これって」
「どうなんだろうな」
「戦いの後か?本当に」
「違うよなあ」
「和やかでな」
「爽やかに汗を流しましたって感じで」
「戦いの後かよ」
首を捻っての言葉だった、彼等には全く事情がわからなかった。
「これってなあ」
「試合終了後乱闘とかねえのかよ」
「戦いの後なのにな」
「えらく仲いいな」
「何だよ、これ」
それで彼等はニュージーランドの大柄な選手達と腕を組み談笑して酒に羊肉を楽しむバランガのところに来て尋ねた、丁度彼が一人になったところで。
「あの、戦いの後なのに」
「舞も舞ったっていうのに」
「凄く仲いいですけれど」
「本当に戦ったんで
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