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やさしい熊さん
第二章
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「暴れてるよね」
「あれ、よくないよ」
 熊さんは言いました。
「あまり酷い様だとね」
「注意する?」
「うん、村のものは皆のものだからね」
 これが村の決まりです、我儘な牛さんもこのことは守っていました。
「それで他の皆を追い出すとかはね」
「あってはならないね」
「猿達が何かしたら」
 その時はというのです。
「注意しないといけないね」
「牛君の時みたいに」
「そうするよ」
 猫さんとこうお話をするのでした、暫くは見ているだけでした。
 ですが猿達は日増しに我儘で乱暴になってきました。村に新しく入った鹿さんに徒党を組んで難癖をつけたり象さんの畑を荒らしてそこでうんこをしたりもしました。
 畑だけでなく草木もかじります、それで。
 熊さんに注意されてから素直に牧場で草を食べていいた牛さんにも言うのでした。
「おいそこの御前」
「僕?」
「そうだよ、御前だよ」
 猿達の中でも特に嫌な顔をした猿が牛さんにい言います。
「御前何でここで草食ってるんだよ」
「何でってここで食べる決まりだからだよ」
 牛さんは草をむしゃむしゃと反芻させながら猿に顔を向けて答えます。
「だからだよ」
「出て行けよ」  
 猿はその嫌な顔で牛さんにまた言います。
「ここは今から俺達の遊び場になるんだよ」
「えっ、ここ皆の食事の場所だけれど」
「そんなの関係あるかよ」
「そうだ、俺達が決めたんだからな」
 他の猿達も牛さんに言ってきます。
「だからとっとと出て行けよ」
「御前は特に気に入らない感じだからな」
「おかしなこと言うなあ。何なんだよ」
「ほら、さっさと行けよ」
「二度と来るなよ」
 猿達は牛さんを囲んで暴力さえ厭わない感じです、ですが。
 ここでたまたま牧場に遊びに来た猫さんが牛さんのところに来て言いました。
「牛君、行こう」
「あっ、猫さん」
「この連中には行っても無駄だからね」
 だからだというのです。
「行こう、ここはね」
「けれどこのままだと皆が」
「その話は後でね。とにかく今は熊さんのところに行こう」
「熊さんのところだね」
「うん、そこに行こうね」
「わかったよ、じゃあ」
 牛さんは猫さんの言葉に頷きました、牧場は忽ちのうちに猿達のものになってしまいました。猫さんに助けてもらった牛さんはその猫さんと一緒に熊さんのお家に行きました。
 お話を聞いた熊さんは二匹にこう言いました。
「実はその話他の皆も言ってるんだよ」
「牧場以外にもですか」
「好き勝手やってるんだね、あの連中」
「そうなんだよ」
 腕を組んだ姿勢で牛さんと猫さんに答えます。
「徒党を組んで弱いもの虐めもするしさ」
「牧場も勝手に自分達のものにするし」
「本当に酷い奴等だよね」
「このま
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