第二章
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「ここも撮影に使うね」
「勿論だよ」
絶対にそうするというのだ。
「実際にカウボーイ達はここにもいただろうしね」
「そうだね、ただいつもいなかったから}
「うん、あくまで主な舞台は牧場だよ。それにね」
「それに?」
「主役にオファーをかけたんだ、ヒロイン役にもね」
ロフティングは荒野の中で笑顔でコルチェンコに話した。
「二人共受けてくれたよ」
「その二人は誰だい?」
「ヘンリー=オッドマンにリリー=パーカーだよ」
「えっ、その二人かい?」
コルチェンコは二人の名前を聞いて思わず声をあげた、何故かというと。
「その二人はスタイル抜群で演技力もあるよ」
「そして人気もあるね」
「配役としては申し分ないよ、けれどね」
「二人共っていうんだね」
「アフリカ系だよ」
言うのはこのことだった。
「アフリカ系アメリカンだけれどいいのかい?」
「いや、アフリカ系だからなんだ」
「アフリカ系だからかい?」
「そう、実はカウボーイにしても牧場の関係者にしてもアフリカ系が多かったんだよ」
「初耳だけれど」
コルチェンコは脚本家でありカレッジでは母国アメリカの文学を学んできた。実は大学の講師もしている。
アメリカのことについての知識には自信がある、だがそれでもだったのだ。
「そうだったのかい?」
「カウボーイの三分の一がアフリカ系だったんだよ」
西部劇の象徴の一つの彼等は実はそうだったというのだ。
「ガンマンにも多かったしね」
「意外だね」
「意外かい?」
「うん、白人ばかりと思っていたよ」
それこそデビー=クロケット等の様にだ。
「そうじゃなかったんだね」
「もっと言えばヒスパニックも多かったよ」
彼等もだというのだ、彼と同じ感じの外見の。
「それはわかるね」
「言われてみれば」
このことはコルチェンコも納得がいった。何故なら。
「このテキサスもカルフォルニアも元々はメキシコだったからね」
「それが合衆国になったからね」
「だからだね」
「それでだよ」
「テキサスにもメキシコ系は多いね」
「そうだよ、じゃあね」
ロフティングはさらに話す。
「主役はその二人で」
「後はヒスパニック系の役者も多く使うんだね」
「そうするよ。ただし服はね」
映画の衣装はというのだ。
「これまで通りだから」
「実際に忠実にいくんだ」
「全部実際に忠実にいくよ」
人種的な状況も含めてだというのだ。
「勿論コーヒーもカップもブリキだよ」
「ははは、じゃあお酒はバーボンだね」
「勿論、それでいいね」
「うん、じゃあね」
こうしてコルチェンコは脚本を書くことになった、そして。
二人で主役であるオッドマン、パーカーと会った。二人共今風のアフリカ系の青年だ。黒い縮れ
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