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我が剣は愛する者の為に
転生完了そして悲劇の幕開け
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た。
服装はとてもボロボロで腰に剣が付いている。
ヒゲも荒々しく伸びており、はっきり言って柄が悪そうに見える。
もしかして、あれが賊なのか?

「誰ですか?
 あなたは?」

さっきまで笑顔だった母さんの顔は真剣な顔になっていた。

「名前なんかどうでもいいだろう。」

「それもそうですね。
 それでは失礼します、近くで夫を待たせているので。」

服を戻した母さんは急ぎ足で立ち去ろうとするが・・・・・

「待てよ。餓鬼が終わったんなら次は俺にしてくれよ。」

男は素早く母さんの前に立ち塞がった。

「退いてください。」

「いいじゃねえか・・・少しくらいよ!!!!」

突然、男が母さんの腕を掴んだ。
そのせいで母さんの腕から俺が離れた。

ばぶぅ(いて)!!!」

結構痛かったぞ!!!
そうだ!!
母さんは!?
俺は顔を動かして辺りを見回す。

「へへぇ・・いい女だぜあんた。」

「やめて!!!!離して!!!!」

すぐ横で男は母さんの上に乗っていた。
男は母さんの服を強引に脱がそうとしている。

ばぶぶぁ(やめろ)!!」

俺は言葉が伝わらないと分かっていても叫ばずにはいられなかった。
俺が叫ぶ声が耳障りなのか、鬱陶しいそうな表情を浮かべて言う。

「うるさい餓鬼だな。
 この女を楽しんだら殺してやるからおとなしく待ってろ。」

あれ、これってやばくねぇ?
俺は危機感を覚えるが、所詮赤ん坊。
どうする事もできない。
何とかできないのか、と必死に考えた時だった。

「誰が誰を殺すって?」

「ッ!?」

声が聞こえたと同時だった。
茂みから影が飛び出すと、そのまま一気に母さんの馬乗りしている男に近づいて行く。

「動くな。」

「あなた!!」

そこに駆け付けたのは父さんだった。
腰にある剣を抜いて、後ろから男の首筋に刃を当てている。

「縁の叫び声がしたから様子を見に来たのが正解だったな。
 大人しい子だからな、叫ぶほどの何かがあったのだと思って来てみれば。」

俺の声がどうやら、離れている父さんの耳に届いたようだ。
普段の俺の大人しいキャラここで役に立った。

「よくも私の大事な妻と子供を襲ってくれたな。
 死ぬ覚悟はできているんだろうな?」

赤子の俺でも分かる位、父さんから殺気が出ていた。
顔もいつになく真剣な表情だった。
そのまま剣を振り被ろうとした。
正直、悪人とは言え人が目の前で死ぬのはちょっと、というかかなり気分が悪くなる。
しかし、麻奈も言ったが此処は三国の世界。
殺らきゃ、殺られる。
父さんが剣を振り抜こうとした時だった。
その後ろから別の賊がゆっくりと足音を忍ば
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