暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第三十六章 風断ち行く者《1》
[1/7]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 向かい合う日来の女子学勢三人組と、辰ノ大花の騎神三機、どちらにもまだ動きはない。
 相手の様子見をしているようで、しかし、何時戦闘を開始してもおかしくはなかった。
 この空気を破ったのは、三機ある騎神の中央にいる隊長機だ。
『騎神相手にそのメンツでやり合う気か?』
「だったら何なんさ」
『怪我をしたくないなら今の内に家に帰ることを提案するぞ』
「アンタは馬鹿かなんかか。帰る家は戦わないと無くなる、なら戦うしかないだろうさ」
『進んで傷付くか』
「長を見捨てるような奴らとは違うからね」
『挑発にしてはタチの悪い挑発だな』
「気に障るってことは理解はしてるみたいだね」
 鼻で笑う音が聴こえた。
 隊長機を操縦している者が鳴らした、苛立ちを感じさせる音だ。
『好きでこんなことしてねえからな。まああ? こっちはこっちでイラついてるから、その鬱憤晴らしに暴れさせてもらうぜ』
「掛かってきな、相手になってやるよ」
 言い、入直は乗っている騎神・火炎ノ緋翼の右腕を水平に上げ、掌を空に向け、伸ばしていた指を数回立てて下げての行為を数回行い相手を挑発する。
 挑発に応えるように、辰ノ大花の騎神・戦竜は加速機を唸らせる。
 三機はそれぞれが邪魔にならないように間隔を広げ、戦闘の準備へと入る。
 火炎ノ緋翼の左にいるマギトは彼方を見てながら、
「こっちも戦闘の準備した方が良さそうだよね」
「なら誰がどの機体をやるのか、今の内に決めときませんこと?」
「アタイはあの真ん中にいる隊長機をやるよ。幾ら身体能力に自信のあるネフィアでも、空中戦闘はむりだろうしね。マギトはやらないんだろ?」
「当たり前だよ。なら、マギトはあの左にいるのでお願いねえ。どっちにしろ左右にいるのって量産機だから、決めても意味無い気もするけど」
「ならわたくしは右のですわね。大変ですが頑張りましょうか、殿方が頼りにならない今は」
「男ってのはいざって時に頼りにならないから困るね。女に騎神と戦えって言う精神が理解出来無いさ」
「やっぱり二人共、女子の方がいいよね!」
「あ、いや、そう言うことでは――」
 直後。火炎ノ緋翼とマギトの間を流魔弾が、会話を遮るように通った。
 彼方の先制攻撃だ。
 これが戦いの合図となり、三機の騎神が開いていたその距離を詰めに来た。
「女相手でも容赦しないってかい! 二人共、行くよ!」
「「了解!!」」
 迫る三機の騎神に三人は、それぞれが担当する相手と接触する。
 マギトは左の騎神に砲撃を放ち、その騎神をリードするように町民グラウンドから離れ、空へと上がる。
 火炎ノ緋翼の肩に乗っていたネフィアは右側にいた騎神へ跳躍して近付き、鞭状にした銀冠|《ジィルバーンクローネ》を叩き付けるように振り被り、騎神相手に近接戦闘を挑ん
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ