第五十一話
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なニュアンスが含まれている問いが、少し距離があるがしっかりと今のを見ていたらしい、驚愕のあまり口を抑えているアスナから発せられた。
それもその筈であり、ヒースクリフから表示された《Immortal Object》――所謂『不死属性』を示すメッセージであり、いかなるプレイヤーにも持ち得ぬ技術なのだから。
それを持っているということは、NPCであるか、ダンジョンの床や壁であるか、そういうモンスターであるか……あるいは。
「……《他人のやっているRPGを傍から眺めるほどつまらないものはない》……そうだろう、ヒースクリフ。いや、茅場晶彦!」
ヒースクリフに直撃した黒色のナイフを投げた張本人であるらしい、キリトの言葉に攻略組へとざわめきが走っていく。
そんな中俺は日本刀《銀ノ月》を鞘にしまいつつ、昔のとあることを思いだしていた。
ギルド《COLORS》最期の共同戦線……あれはヒースクリフが教えてくれた隠しボスのおかげでなし得たことである。
だが、そんな情報を何故ヒースクリフが知っていて知っているのかは疑問に思っていた。
後から聞いた話によると、同じ22層にギルドを構えていたシュミットや、あのアルゴでさえもボスのことは知らず、四人でやればなんとか倒せるあのボスモンスターの絶妙な強さ。
それらは目の前の男が茅場晶彦だったと仮定すれば、全てに説明がつくのだ。
尻餅をついた状態から立ち上がって距離を離すと、ヒースクリフは微笑しながらキリトに視線を向ける。
「参考までに、どうして解ったのか聞かせてもらえるかな?」
「あのデュエルの時のあんたの最後の動き……あれは、この世界の限界を超えてたよ」
自白したのと何ら変わらないヒースクリフの静かな問いに、キリトはその両手に持った二刀を用心深く構えながら答えると、ヒースクリフはやれやれとばかりに頭を振ってから返答した。
「あれは私にとっても計算外だった。そこにいるショウキ君といい、私は案外好奇心は抑えられない性格なのだよ、危険だと解っていてもね」
もはや決定的――現実を認められない《血盟騎士団》のプレイヤー以外は、皆思い思いの武器を持って、身体に鞭打って無理やり戦闘態勢をとっていた。
「確かに私は茅場晶彦だ。第百層で君たちを待つ筈だったラスボスでもある」
遂に放たれた真実の言葉に、皮肉にも結果的にはラスボスの手によって生かされてきた攻略組プレイヤーが殺気立ってきたが、ヒースクリフはその殺気を何てことのないように受け流した。
それも当然だ、彼は自分の何らかの目的のために一万人を殺しても良い覚悟があり、実際にもう数千人の命を奪っているのと同義であるにもかかわらず、平然としている精神力の持ち主なのだから。
「趣味が悪い
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