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とある星の力を使いし者
第70話
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御坂美琴は学生用応援席にいた。
一般来場応援席と違い、こちらには日差しを遮るテントのようなものはない。
ただ地面に青いシートが敷いてあるだけで、椅子すらない。
花見の宴会席みたいよね、と美琴はため息をつく。
ここまで原始的というか野性的だと、逆に何か新鮮だ。
実は自分が参加する競技プログラムの都合上、上条達の競技を最後まで観ているのは割と危険なのだが、気になってしまったという理由もあるのだが、此処に来た理由は他にもあった。

「ねぇねぇ、まだ競技は始まらないのぉ〜?」

「女王、もう少しで始まりますから・・・その・・・子供のようにだれるのは止めましょう。」

「そうですよ、麻生さんがどこからか見ているのか分かりませんからね。」

「うう〜、分かったわよぉ。」




「婚后さん、麻生さんのクラスは勝てるでしょうか?」

「相手はエリート校などという肩書きを持っていますが、所詮はエリート。
 わたくし達、常盤台中学に比べたら格下の相手ですわ。
 麻生さんはその常盤台の一時的な生徒とはいえ、元常盤台の生徒。
 あの人がいれば負ける要素などありませんわ。」

「な、何にしても怪我はしてほしくないですわね。」

「湾内さんも珍しいですわね。
 こんな人ごみにくるなんて。」

「その・・・麻生さんはお知り合いですので、応援をと思いまして。」

「何にしても、負ける事なんてこの婚后光子が許しませんわよ!!」



と、美琴の他にも常盤台の生徒が麻生の応援に来ている。
自分も向かわなければ、何かまずいような気がしたのが一番の理由だ。
食蜂操祈や婚后光子、湾内絹保、泡浮万彬など、結構の数の常盤台の生徒が見に来ている。
その豪華なメンツに周りの生徒も驚き、なぜ彼女らが此処にいるのか考えているようだ。
もし、分かってしまえば麻生は明日からほとんどの男子生徒から嫉妬の嵐が巻き起こるだろう。
美琴は何とも言えない思いを秘めながら、ため息を吐いて誰もいない校庭を見つめる。
だが、常盤台の生徒は最低でも強能力(レベル3)で四七名の大能力者(レベル4)を持ち、超能力者(レベル5)が二人もいる超難関エリート校だ。
どう足掻いても普通の高校レベルでしかない麻生の高校が勝てる要素はほとんどない。
何で勝負を仕掛けに来たのか、全く意図が分からない美琴。
余談だが、この勝負は上条が仕掛けただけで麻生は一切関係していない。
しかし、美琴の頭の中では麻生から勝負を仕掛けに来たという事になっている。
麻生の能力を考えると充分、優勝を狙える。
だが、麻生がたかが棒倒しで本気になるとは思えない。
美琴は麻生の事をよく知らないが面倒くさがり屋だという事は知っている。

(緊張とかは絶対にしないだろうし、相手は
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