無印編!
エラーエラー。ちょっとしたエラー。
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「あ、目が覚めたようね」
ふと目を開くと、目の前には真っ白いワンピースを身にまとった女の子がいた。
え、だれ?
「ああ、そういえば記憶を封印してるんだっけ?んー、だったらちょっとの間戻してあげるわ」
少女はそう言って俺の額に手を当て、解除、と言った。
瞬間、俺の頭の中に沢山の俺の記憶が入ってくる。
「・・・久しぶり・・・だな、エリザ」
「ええ。久しぶりね、大吾」
「違う。今の俺は大吾じゃない、浅賀陽龍だ。三島大吾という自分はあの時に死んだんだ」
「・・・そう、ね。今のは私が悪かったわ。さて、挨拶はここまでにして本題よ」
「そういえばなぜ俺はここにいるんだ?いつもだったらユメを見ているのに・・・」
俺は今まで意識していなかったからか気づかなかったことを聞く。
「あなたに用事があったのよ。ねえ、陽龍。あなた、プレシア・テスタロッサにアリシア・テスタロッサを助けるとか言ってたわね?あれ、具体的に何をするつもりなのよ」
「え?あー、治癒能力を頑張れば・・・たぶん」
「無理ね」
即答された。
えー、できないのかよ。
「流石に無理ってものよ。対して考えずに行動するからこんなことになるのよ。まったく・・・しょうがないから今回だけは助けてあげるわ。目が覚めたとき、現実のあなたのポケットに蘇生の薬を入れといてあげる。こういうの、もうないわよ?」
「わかった。ありがとうな、エリザ」
「それじゃあ、次」
「? まだあるのか?」
「ええ。これは夢から覚めるとなんとなくでしか覚えていられないでしょうけど、薬と一緒に手紙を入れてあげるから感謝しときなさい。・・・っと、話がずれたわね。あなたが陽龍になってから作った歌があったわよね」
エリザの言葉を聞き、俺は記憶をたどってみる。
ああ、そういえばなんとなく頭に浮かんだやつがあったなぁ・・・。
「あれ、実はちょっとした未来予知なのよ。実は」
「・・・は?」
エラーエラー。ちょっとしたエラー。
「だから、実は未来予知なのよ。向こうに戻って、少しは役に立つでしょう?」
「・・・そう、だな。ありがとう、エリザ」
「ついでにこれから先、あなたがフラッシュバックにあうようなことがあっても、すぐに意識が戻るように調整してあげるわ。ずっとこのままだと辛いでしょう?
大丈夫、あなたはもう、昔のにい・・・じゃなかった、えっと、ヒリュー・・・じゃ、ないんだから。安心してね。
じゃ、お知らせ終了よ。陽龍がいつか、自分の意志で思い出してくれることを、心から祈っているわ」
エリザはそう言ってまた俺の額に手をあて、今度は封印、といった。
そして俺の意識はそこから離れていき、現実に戻ってくる・・・。
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