暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の十字架
〜It works togetherC〜
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「今のところ目立った問題はない。ただ・・・」

「ただ?」

俺は一歩詰め寄り頼み込んだ

「ヤムルという男の情報をくれないか?」

「それは・・・」

まぁ、ふつうは無理だろう。なんせ、信用がモットーのオークションだ
しかし

「こちらがその資料です・・・」

目は合わせずに紙を差し出してきた

「!?良いのか?」

「私は何も知りません。ただここに紙があるだけです」

俺は苦笑いを浮かべて紙を受け取り、ミラと一緒に見る

『ヤムル・ラート。資産入手ルートは不明。背後になんらかのギルドが控えている模様』

簡単な情報しかなかったが、これだけでも大きな収穫だ。得に、資産ルート。これが不明ってことはかなり匂う

「ありがとう。後は俺らの仕事だな」

「お願いしますね」

俺とミラは再び甲板へと向かった




ナイフがちらつく

「なぁ、あの二人組は何もんだ?」

「た、ただの貴族様です!」

胸倉をつかんで持ち上げる

「トボケんな?どこの令嬢だ!アァ!?」

こ、個人情報です!とだけ言うと、胸倉をつかんでいた手が離される

「ごほっごほっ!」

「まぁいいや。話を変えよう」

「・・・?」

「宝物庫はどこにある?」

月に照らされたナイフが光を反射してヤムルの顔を怪しく照らした






『みなさま!これよりオークション第二弾とまいりましょう!』

司会がマイクをとる

「・・・ミラ」

「ん!?・・・んっっと。もう〜?」

嫌そうな顔をするなよ・・・

「ミラ、仕事優先だ」

「ちぇ〜」

しぶしぶ席に着いた
俺はいったん周りを見渡した。しかし、ヤムルの護衛が見当たらない。本来、護衛はどんな理由があろうとも護衛担当から離れることはない。ましてや、ヤムルほどの貴族から離れるなど、ありえない

「・・・ミラ、ヤムルを見張れ」

「うん・・・」

ミラも気がついていたようだ
俺は一般客。ミラはヤムル。と持ち場が決まったところでオークションが始まった

『では最初の商品―――』

しばらく商品が続いたがヤムルは何もいわず、ただただ座っていた
不審に思ったその時―

「!?」

船底から魔力が感じられた

「ミラ!?」

「えぇ!感じたわ!行きましょう!」

俺とミラが立ち上がろうとしたその時、体がいきなり重くなった

「〜〜ッ!」

重力系の魔法。とっさにそう判断した
なんとか動くヤムルの方を見るとさっきまでいなかった護衛の魔導士がいた
なぜ俺らに魔法を掛けたのか。俺らが魔導士だということは絶対にばれないし、だとしたらほかに思い当たる節がない


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