第69話
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がなくなる。
だから、シャキっとしなさい皆の為にも!」
キーキーと立て続けにまくし立てる吹寄制理に、上条は思わずたじろぐ。
後ろへ下がる少年に対して、運営委員はさらに距離を詰めていく。
上条は後ろへ下がろうとするが、背後にあるのは花壇だけだ。
それを見ていたクラスメイト達は歓喜の表情を浮かべる。
「す、すげぇ。
すげぇよ吹寄!
流石は対カミジョー属性完全ガードの女!」
「いつものパターンなら「か、上条君、大丈夫?」とかフォローにいっちゃう所なのに!」
「そして、不幸だと何とか言いながら一番美味しいポジションを占有する筈なのに!!」
「我々人類の希望やね。
吹寄制理を研究する事で、カミやんを克服できるかもしれへん!!」
どんな評価を受けてんだよ俺ーっ!?、と上条はぐったりしながら後ずさる。
と、不意に、上条の足がグニッと何かを踏んだ。
それは散水用のゴムホースだった。
土の校庭の砂埃を起こすのをある程度防ぐため(完全ではない)競技前に水を撒くためのものだ。
遠くを見ると、校庭で作業している男性教論が「ん?」という感じで、水の出なくなったホースの口を眺めている。
瞬間、上条の足で堰き止められていた水が爆発した。
地面に埋め込まれた、散水専用の蛇口に繋げられたホースの口が勢い良く外れ、辺り一面に水道水を撒き散らす。
蛇口から一番近くにいたのは制理だ。
水道水が制理に向かって飛んでくるが誰かが制理を抱きしめ自ら盾になる。
その人物は麻生恭介だ。
全身が水浸しになるが、麻生は制理に聞く。
「大丈夫か?」
抱きしめられ、しかも顔もおでことおでこがくっつくくらい近い状態で話しかけられ、さすがの制理の顔を赤くする。
「水はかかっていないか?」
自分が水浸しなのに制理に水がかかっていないか確認する麻生。
「だ、大丈夫よ。」
「そうか、ならいい。」
制理の言葉を聞いた麻生は制理から離れる。
制理から離れる際、能力を使い水道水の蛇口を閉める。
その光景を見ていた男子クラスメイト達は悲哀の表情を浮かべる。
「し、しまった!!
この男がいる事を忘れていた!!」
「あの吹寄すらも攻略するのかこのキョウやんは!!」
「最近になって性格が良くなって女子への人気が急上昇している。
この男に攻略できない女子はいるのか!!」
「ある意味、上条属性よりも性質が悪いぞ!!」
男共の悲痛な叫びに麻生は無視して近くにある体育館の壁に寄りかかる。
一方、女子達は制理を助け、気遣いの心を見せる麻生に見惚れている。
それを見た男達はまた麻生属性が蔓延している!!、と叫びを上げる。
制理も制理でまだ顔を赤くしていた。
上条は自分の不幸のせいで濡
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