第69話
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らないというおまけつき。
自然と全身に恐怖の鳥肌が立ってきた所へ、クラスの女子生徒の一人が遅れてやってきた。
「な、何なの。
この無気力感は!」
麻生と上条は声のする方に顔を向ける。
他のクラスメイトと同じく半袖短パンを着た少女だが、その上に薄手のパーカーを羽織っている。
パーカーの腕の所には「大覇星祭運営委員・高等部」と書かれている。
おそらく背中にも同じ文字が書かれているだろう。
クラスの中では背が高い方で、スタイルも良い。
体操服のTシャツの上から、ぐぐっと胸が盛り上がっているのが一目でわかる。
黒い髪は耳に引っ掛けるように分けられていて、おでこが大きく見えるようになっていた。
彼女の名前は吹寄制理。
またの名を、美人なのにちっとも色っぽくない鉄壁の女とも言う。
そして、麻生恭介を救った一人でもある。
実は、制理は幼い頃に麻生と出会っている事は覚えていない。
麻生は一目見ただけで分かったが、相手は初対面の反応をしたので麻生はそのまま黙っていた。
「ハッ!まさか、麻生。
また貴様がやる気がないから、それが皆に伝染して。
貴様・・・これはどう収拾をつける気なのよ!」
「俺のせいじゃない。
むしろ、当麻のせいだ。」
「ちょ!!俺のせいなのか!?
第一、俺も恭介も今さっき来たばかりだぞ!!」
「つまり、貴様らが遅刻したから皆のやる気がなくなったのね?」
「どうやってでも俺達のせいにしたいみたいだな。」
「勝手に含めるんじゃねぇ!!
吹寄だって俺達より遅れて来たじゃん!」
「あたしは運営委員の仕事よ馬鹿!」
割と問答無用で馬鹿扱いか俺!と上条は泣き出しそうになる。
「もう放っといてくれ!
駄目なんです、不幸な不幸な現実に直面した上条さんは今ちょっと立ち上がれない状態なんです!!」
「だらしない。
それは心因性ではなく朝食を抜いた事による軽い貧血状態よ。
ほら水分とミネラルがあれば問題ないわスポーツドリンクで補給しろそして立ち上がるのよ上条当麻!」
もはや狙いが上条一点になっている事にさらに不幸だと、項垂れる。
制理のパーカーのポケットから五〇〇ミリサイズの半分ほどの長さのペットボトルが数種類も飛び出してくる。
「お前も懲りないな。
まだ、そんな健康食品とか集めているのか?」
「うるさいわね!
飲料商品は買っても外れはないでしょうが。」
「そう自分に言い聞かせて大量に買い漁っているんじゃないのか?」
麻生がそう言うと制理から言葉が出ない。
どうやら図星の様だ。
「と、とにかく、あたしはね、不幸とか不運とかを理由につけて人生に手を抜く輩が大っ嫌いなの。
貴様一人がだらけると周りもやる気
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