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変人だらけの武偵高
2話
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し やがります」
「まあそうだろうけど! 」
一難去ってまた一難、というヤツか。いや、これらで一セットみたいだが。
「スピードを 落とすと 爆発 し やがります。助けを 呼んでも 爆発 し やがります」
いよいよ八方塞がりだ。ちらっと触った感触でしかなかったが、爆弾はプラスチック爆弾ーー俗に言うC4であり、自転車が粉々どころでは済まないサイズだった。
「くそ、どうすりゃいいんだ……ん?」
ふと、キンジは自転車の違和感に気付く。爆弾が仕掛けてあるでもない、漕ぎやすいよう改良されていた点でもなく。
それはボタンだった。信号機の配色、つまり青黄赤が左から順に並んだ、三つのボタン。
……先刻にも増して嫌な予感がする。が、背に腹は変えられない。藁にも縋る思いで、キンジは(取り敢えず、ラッキーカラーの)青のボタンを押した。
すると、ザザッ、と砂嵐のような音が前輪のライト辺りから響いてくる。足は止めないまま確認すると、それはレシーバーのようだった。
『…………あー、あー。んん。テステス。……よし。ようキンジ! 聞こえるか?』
「は、え、武藤? いやいやいやちょっと待て!」
今は通信はまずい。具体的にいえば、バラバラになるかどうかの瀬戸際である。
ちら、とセグウェイの方を見遣る。……無言だった。
(怖えよ!)
『一応先に言っとくと、これ録音だから。何か言っても俺には聞こえねーからな』
その言葉を聞いてほっとする。犯人に聞こえていたなら、どうにか納得して貰えるだろう。多分。
『さてキンジ、この録音を聞いているってことはお前、押したな?』
不自然に並んだボタンを指しているのだろうか。録音に返事をしても仕方がないので、大人しく続きを待つことにする。
この録音された声の主、武藤という男がまた珍妙というかなんというか、変人だらけの武偵高に相応しい変人さだった。
曰く、風を感じたい。そのために、そのためだけに彼は自らの所有するあらゆる乗り物に魔改造を施し、メーターが振り切れる程の速度を出すことを可能とした。
彼の座右の銘は「ブレーキは無粋」らしい。
キンジの場合は、散々に釘を刺しておいたお陰でブレーキの効かない暴走自転車にされることはどうにか回避してある。長年ならぬ、一年の付き合いの賜物だ。
『いきなり青を押すたぁ相変わらず悪運のいいヤツだ。よし、じゃあ黄色のボタンを押してみな』
死ぬ程怪しかった。武藤のドヤ顔が透けて見えそうだ。
が、今にも隣を走るセグウェイに爆破されそうな現状を打破するために、出来ることはなんでもしておく。武藤の手も借りたいというヤツだ。
キンジは黄色のボタンを押した。

ウィーン、ガシャッ。

「……え、何このお、とぉッ?」
不可解な音に遅れて凄まじい熱を背後に感じた直後、景色を置き去りにするような猛
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