英雄の暗躍
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両断にする。
本気で興味が無いのだろう。
あまりにも冷たく、にべもない態度に中がむっとしたようだがそれすらどうでもいいようだ。
「俺がききたいのはお前が何をしようとしているかだ」
「馬鹿を止めに行くんだよ」
今…この森を抜けた先を数人の人間が目的を持って移動しているはずだ。
彼等の目的は一人の少女の救出、国の為、民の為に戦い抜いた彼女は今、敵に捕らわれている。
それを救出しようとしているのだが…。
「王様の命令を無視した反逆者を庇うつもりかよ?」
この話の何処に笑うポイントがあったのか、秋晴には全く分からない。
中の言うとおり、国は英雄であった少女を国家間の紛争の落とし所として利用し、見捨てた。
敵国にとっては自分達に甚大な被害をもたらした少女だ。
憎んでも憎み切れない者もいるだろう。
このままでは少女は処刑される…少女の仲間達はそれを回避する為に、王の命令さえ無視して救出に向かっている所なのだ。
「全く、安易に行動した結果も考えねえバカの尻拭いなんて面倒だと思わねえか?」
「…お前は“その結果”を知っているだろう?」
確かに無謀だ。
下手をすると国家間の問題がまた再燃しかねない。
だが、今回に限って言えばその心配はないのだ。
何故なら、救出隊は知恵と勇気と実力を持ってやり遂げる。
|少女を救出し、首尾よく逃げ出すのがこの世界の運命であり、流れ…ここは原作の存在する世界なのだ。
成功は確定しているし、この一件に置いて彼等“主人公達”は経験と絆を手に入れて成長する事になっている…“余計な邪魔”が入らなければ…。
「それを知っていて、何をしに行くつもりだ?」
「このままだと俺に旨みがないだろう」
「…旨み?」
伏せていた秋晴の瞼が、感情の揺らぎで軽く痙攣する。
「“反逆者”を捕らえて国に連れ帰れば恩を売れるからな」
中がニヤリと笑う。
確かに、結果を知らなければ彼等の行動は無謀で無茶だろう。
しかし仲間を助けたいと思う思いは間違いではないはずだ。
このままでは少女は見せしめに殺されてしまう。
「それでも、女の子を見殺しにしてまで自分の利益を優先させるのか?」
「何真面目な事を言ってるんだ?」
訳が分からないと肩をすくめた中は…。
「当然だろ?」
「……」
平然と言いきった。
他人がどうなろうと知ったことではないと言ったのだ。
「あいつが生きてると俺の出世の邪魔なんだよ。それとも正義感を発揮して邪魔しようってか?」
「ハッピーエンドになるのが分かっていて、それを邪魔すれば誰かが不幸になる事も知っていて、それでもやるのか?本気でそう思っているのなら…お前は人間じゃない。
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