GGO編ーファントム・バレット編ー
53.死の銃弾
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、何の気負いもなくトリガーを引いた。
小さな閃光。
わずかに遅れて、かぁんと乾いた銃声が耳に届く。
「あ.......!」
隣で、キリトが何かに怯えたように呻いた。
銃弾は、外れるわけでもなくペイルライダーの胸の中央に命中した。だが、即死級のダメージではないはずなのにボロマントはそれ以上引き金を引かない。
拳銃を構えたまま、悠然と立っている。狙われていると知りながらも。
一秒、二秒、三秒ーー。
ここでついに、ペイルライダーを拘束していた電磁スタン弾の効果が切れる。
ペイルライダーは反撃のAR17ショットガンをボロマントの胸に突きつける。文字通りの0距離、当たればさすがに一撃で死んでもおかしくない。
反撃の銃声が........響かない。
代わりに、どさりという音とともにペイルライダーが、まるで関節壊れた人形のように両膝から地面に崩れ落ちる。ペイルライダーは、そのまま動かなくなった。
青白い迷彩服に包まれた全身が、ノイズを思わせる不規則な光に包み込まれ、突如生滅した。
最後に残った光が、【DISCONNECTION】という小さな文字列を作り、それもまは夕日に消えた。
「...........なに、今の」
さっきの行動に理解が全くできない。
ボロマントがハンドガンで一回撃っただけでペイルライダーを倒したってことになる。
(いや、違うわ!ただ、反撃しようとした寸前に運悪く回線トラブルが起き、ゲームから切断されてしまっただけよ!)
「あいつ......他のプレイヤーを、サーバーから落とせるの.......?」
掠れた声で呟くと、隣のキリトがまるでうわごとのような声で返す。
「......違う。そうじゃない。そんな生温い力じゃない........」
「ぬるい?どこがよ、大問題でしょ。チートもいいところだわ、運営は何してるん......」
「違う!」
突然、キリトがぎゅっと左腕を掴む。反射的に振りほどこうとするが、続いた声が、全身を凍らせた。
「あいつは、サーバーからおとしたんじゃない。殺したんだ。たった今、ペイルライダーは......ペイルライダーを操っていた生身のプレイヤーは、現実世界で死んだんだ!」
「..........な........」
(......何を言ってるの?)
そう応じようとした口は、再びキリトの言葉に押しとどめられた。
「間違いない。あいつが......、あいつが《死銃》ーー《デス・ガン》だ」
どこかで聞き覚えのある名前だ。
「......デス......ガン。それって、あの、変な噂の......?街の酒場や広場で、確か、前の大会で優勝した《ゼクシード》と上位入賞の《薄塩たらこ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ