第一幕その六
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であった。
「ではこれで私は博士の」
「そうだな。ではこれからは」
「宜しく御願いします」
また恭しく一礼する悪魔だった。ファウストは彼のその一礼を見てからまた問うてきた。
「それでだが」
「それで?」
「何時からだ?」
こう尋ねるのだった。
「何時はじまるのだ?それは」
「すぐに」
これがメフィストの返答だった。
「今すぐにだ」
「わかった。では何処に」
「お好みの場所なら何処にでも」
ここでもにやりとした笑みを浮かべてみせる。
「御案内致します」
「馬や馬車、馬丁といったものは」
「そんなものは不要です」
「では魔術で」
「そうです」
まさしくそれだと言う。そして言うのであった。
「私は人間の思考より早く移動できるのですから」
「だからか」
「はい、それではまずは」
ファウストに魔法をかけ若さを取り戻させた。彼は若い日の長身で引き締まった身体をしている美男子になった。銀色の髪に北欧のそれを思わせる端整な顔をした若き日の彼に。そうなってみせたのである。
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