第三十九話〜家族を望む者と守る者〜
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人がいないとは言わない。だけど、自分たちが使うことが叶わない力をどれだけ見せられても、結局その力の事を本質的に理解できるのは使える本人だけなんだよ」
どこか諭すように言うライの言葉に一同は口を噤む。
分からなかったのだ。魔法を生まれた時から使えないという事を。
今自分が当たり前のように使っている力を自分が一度も使うこと無く、誰かに一方的に使われるという事を。
「それに、管理局は慢性的な人員不足っていう現実的な問題もある。だからレジアス中将が言っていた案は決して悪いものでは無いと思うんだ………言葉が少し過激とは思ったけどね」
「でも……質量兵器が危険なことには変わりないよね?」
少し遠慮がちにそう尋ねたのはフェイト。彼女は執務官としての仕事で、犯人が質量兵器を使っていたのを見たことがあった為にその危険性を少なからず知っていた。
「それは否定しないけど………質量兵器の中にはスタングレネードみたいに怪我をさせずに無力化しようとするモノも多いから、一概に全てが危険というわけでもないんだよ」
ライの言葉に何人かが納得の表情をして頷いていた。
(まぁ、この魔法社会の中ではそれ以外にも、質量兵器の導入には色んな意味があると思うんだけどね………)
各々がライの意見について話し始めたとき、ライは内心そんなことを考えていた。
ミッドチルダ・繁華街
色々あった朝食を済ませ、ライは繁華街に足を運んでいた。
まず、ライは服屋に足を運び商品を見ていく。ここに来るまでにミッドチルダのある程度の物価を把握していたライは高くもなく、安くもないぐらいの服を見ていく。
だがそのライの表情は優れない。別にそれはライの気に入った服がないとかそういうことではない。それにライの表情を言い表すのなら困惑しているというのがしっくりくる。
何故ライがそのような表情を浮かべているのかというと理由は簡単である。元の世界でもライは自分で自分の服を選んで買ったことがないのだ。
元の世界でライが着ていた服はルルーシュから借りたものか、もしくは黒の騎士団の制服などしか着ていなかったのだ。だからライは自分にどんな服が似合うのか全く把握していなかった。
(誰かについて来てもらうべきだった………)
ライが心底後悔し、困惑顔をし始めたときライに声をかける人物がいた。
「お客様、本日はどのようなものをお探しですか?」
それはその服屋の女性店員であった。
服屋では一般的なその光景は少し普通とは異なっていた。何故ならその店員の後ろにはその女性店員の他に何人かの店員がライをチラチラ見ながら、幾つかの服を選んで取って行っていたのである。そんな後ろの光景が気になりつつもライは素直に店員に答えた。
「
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