第三十九話〜家族を望む者と守る者〜
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、平和を維持するためには今現在、使用を禁止されている質量兵器、それを解禁し平和を守るために使用すべきであるという内容であった。
その内容が流れたとき、食堂にいたメンバーは皆顔をしかめてその意見に否定的な言葉を紡いでいく。
その中でライは彼女たちとは違う意見を考えていた。
「ランペルージはどう思う?」
黙っているライが気になったのか、シグナムはライに自分の意見を言うように促す。その言葉が聞こえたのか、一同はライの方に視線を向ける。自分が注目されていることを確認したライは一度目を閉じ、自分の考えを頭の中で纏めそれを言葉にしていく。
「私的な意見になるけど、僕は彼の言っていることは間違ってはいないと思う」
そのライの意見に何人かは驚いた顔をする。何故なら、元の世界で質量兵器の存在がどれだけ危険な物かを知っているライがそれを肯定するような事を言うとは思わなかったからだ。
「理由を聞いてもいいか?」
質問したシグナムが再びライに聞き返す。
「………もしこの意見が公式的に認められて、一番“安心”するのは誰だと思う?」
ライはその場にいる全員に語りかけるようにその問いを口にする。質問をされた彼女たちはそれを聞いて、質量兵器を密かに取り扱う、組織や企業を思い浮かべる。だが、ライの回答は違った。
「僕はこれを聞いて安心するのは、リンカーコアを持たない………力を持てない一般人だと思う」
その言葉を言ったとき、ライの脳裏には虐殺される一般人の姿が過ぎった。
「魔法も兵器も力と言う意味では本質的には同じだと思う。だけどそこには非殺傷設定で安全性、そしてリンカーコアという先天的な才能の有無という条件の2つの要素がある」
そこでライの話を聞いていた一同は一様に頷く。ライが今喋っているのは、この次元世界における社会の常識になっていることである。それは言われなくても分かっている事なのだが、ライが改めて言うということは何かしらの意味があると思い全員が真剣に聞いていた。
「そして、魔法という力を持つことが出来なかった人たちは戦うための力を持つことが許されず、一方的に『私たちは魔法という力を持っているから貴方たちは力を持たずに私たちに守られます』と言われる。これはとても不安を感じることなんだよ」
「なぜですか?現に魔法という存在が一般人を守っているじゃないですか?」
ライの言葉に疑問を唱えたのはエリオであった。彼は幼いからこそ自分の力の大きさを理解し、それを誰かの為に使える事を誇りに感じるところがあった。だが、彼の中ではライの言葉を聞こえたまま受け取ると、『魔法を使って、魔法を使えない人を助けるのはその助けた人を不安にさせる』となってしまったのだ。
「確かに魔法の存在に助けられた
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