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RPG WORLD ―ろーぷれ・わーるど― 〜復讐の少年〜
序章
絶望の少年 ・前
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...大体歩きだして一時間くらい経っただろうか。
予想ならもうメルダについてもおかしくはないのだが...。
「ねえねえ、蒼空君?」
「...なんでしょうか」
「もうさぁ、一時間近く歩いてるんだよね。なのにメルダにつかないのはどういうことかなぁ?」
「僕が道を間違えたからです」
原因発覚。
「...しょうがないから地図見よ?」
波音が言う。
ちなみに、なぜ持っていたのに見ていなかったというと、大地|《バカ》が、
「地図見るとか、ただの雑魚だろ」
とwでも付きそうな勢いで言っていたからである。
「お、でもちょっとだけ近づいてる!」
波音が地図を見ながら言う。
「やっぱ近づいてるじゃん!俺って天才!」
と、途端に元気になる大地|《バカ》。
「一時間使ってちょっとしか目的地に近づけないバカが天才ならこの世は全員天才だけど?」
「...すみませんでした」
一瞬でその元気をなくしてやりました(ドヤァ)
「じゃあ、波音にナビを頼んで進も」
僕がそう提案すると、バカと美少女が賛成。
というわけで、また歩き出した。
その瞬間。
『...影縫い』
頭が一瞬で警告音を発した。
バックステップでかわそうとするが時すでに遅く、僕の影に手裏剣が突き刺さる。
やられた。
ちなみに影縫いとはニンジャ固有のスキルで、少しの間相手の動きを封じることがある。
と、言うわけで僕の動きは完璧に封じられてしまった。
「誰だ!」
瞬間的に蒼空が叫ぶ。
帰ってきたのは無数の手裏剣。
大地がはじいてくれたが、全部はじけるわけなく、数個が僕の腕や足につきささる。
「〜〜〜〜〜〜ッッッ!」
続いてやってくる痛み。
...待て。痛みがあるってことは...
もし、仮にHPがゼロになったら...死ぬ?
ちらっと自分のHPを確認する。そのHPのゲージは少し減っていた。
大地のHPも目だけ動かして確認すると、そのHPは僕をかばってだろう、僕よりも少し削られていた。
まだ動けない...!
そしてまた無数の手裏剣が飛んでくる。今度はさっきよりも多い。
大地がかばって手裏剣をまたはじく。が、その手に無数の手裏剣が突き刺さり、剣を落としてしまう。
それを好機と思ったのか、間を置かず飛んでくる無数の手裏剣。
「「うあぁぁぁぁあああ!」」
無数の手裏剣が僕と蒼空につきささる。
両方とも、すでにHPが半分切った。
と、その瞬間、声が出るようになっていることに気づく。
「波音!回復を――」
「波音とはこいつのことか?」
その瞬間目の前に出てくる人影。
アバターネーム『ダイス』と書かれたその人物は、肩に波音を担いでいた。
「波音!」
どうやら気を失っているらしく、返事がない。
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