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メフィストーフェレ
第四幕その七
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「さあ、今から救いを」
「この魂を」
「神秘の愛の中で」
 彼を見ながらの言葉である。既に書斎ではなかった。天の宮殿の中であった。
「聖なる光に包んで」
「今静かに」
「忌々しいが認めるしかない」
 メフィストは達観した顔になって呟いた。
「彼は救われたのだ。ではファウスト博士」
 最後に彼を見てだ。優しい微笑みを向けてである。
「最後の審判の後で天界で御会いしましょう。また貴方と共にあらゆる場所を巡りあらゆるものを見て楽しみたいものです」
 こう言ってその端麗な動作で優雅に一礼してである。天使達に囲まれ光に照らされている彼を見送るのであった。


メフィストーフェレ   完


                  2010・1・28

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