第四話 後・ボス戦攻略
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ない――アキヤは密かにそう思いながら、胸の内で頑張ろうと決意する。
きっと、これから彼の決意が折れる事はないだろう。
今日の今をもって、彼の《ソードアート・オンライン》チュートリアルは終わり、正式サービスが始まった。
(誰に何を思われようと関係ない。僕は僕のままで胸張って生きてやることをやれば、それで十分なんや)
きっと彼は、いつかその足場が崩壊して誰しもの反感と恨みを買う事になるだろう。
しかし、彼の心は広く晴れ渡っていた。それは単に、キリトの行動と覚悟が後押ししてくれたおかげである。
――覚悟は決まった。後は、行動するだけだ。
いや、その前に休憩させてほしい。今日は濃密過ぎて、少々疲れてしまった。
――それから30分後、ディアベルと呼ばれていた青い髪の青年は目を覚ました。他のレイドメンバーたちは、全員二枚扉から次の街に向かうことなく帰ってしまったようだ。
アキヤはディアベルに状況説明をした後、すぐに仲良くなった。お互いに自己紹介をして、名前を呼びあい、握手をして、フレンド登録し、そしてギルド加入手続きまでもが進んでしまった。
今日からディアベルは、《円卓の重騎士》のギルドメンバーになった。予想外の出来事ではあったが、結果的にアキヤはディアベルの恩人に当たる。ディアベルはその恩を返す為に――いや、恩人に当たるアキヤと行動をしてみたいが為に、ギルドに加入したそうだ。
そして後で聞いた話なのだが――どうやら、ディアベルは吹っ飛ばされた時に手が滑りパーティーから抜けてしまっていたらしい。アレだけの勢いだったので分からないことではないのだが、よくもまぁ、右手を下にスライドする→チームをタップ→脱退を選択→確認、という作業を偶然的に引き起こしてしまった物だとアキヤは苦笑した。
このことは、改めて負い目を感じていたであろうキリトにメールを送った。こちらを見た時に驚いたのは、きっとアキヤの近くにディアベルが居たせいなのだろうが――見間違いという線で否定しまう可能性も有り得なくはない。
ディアベル生存メールに、きっとキリトも喜んでいることだろう。などと考えていると、すぐにキリトからの返信メールがきて、今度静かな場所で三人だけで話したいとのこと。
それをディアベルに伝えると、ディアベルもとても気持ちの良い笑顔で頷き「俺もキリトさんと話をしたい」と言っていた。
その後アキヤは、ディアベルに装備を3分の1だけ持ってもらい次の街へと移動した。
装備を見た時のディアベルの驚いた顔は――今でも忘れられない程、面白い顔だった。当然の反応ではあるのだが、やはり面白いものは面白い。
――こうして、第一層のボス攻略は幕を閉じるのだった―
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