第四話 後・ボス戦攻略
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馬鹿にでも一目瞭然のことになる。
「――でも、俺はあんな奴らとは違う」
と、自分がまるでこのゲームを極めているかの傲慢な声音。こいつは一体何を考えているんだと少年が訝しんでいると、再び黒髪の少年の言葉が響く。
「俺はベータテスト中に、他の誰も到達できなかった層まで登った。ボスのカタナスキルを知っていたのは、ずっと上の層でカタナを使うMob(モンスターの略)と散々戦ったからだ。他にも色々知っているぜ、アルゴなんか問題にならないくらいにな」
そこまで聞いて初めて、少年はこの黒髪の少年が何をしようとしているのかが分かった。
――しかし、それは同時に危険な目にあう確率が増える一方だ。大多数のプレイヤーは救われるだろうが、この発言者である黒髪の少年は救われない。
本気でやるのか――?
――いや、ここまで言ってしまったのだ。もはや、その役になること以外に選択肢は残されていない。
少年は冷や汗を流した。自分のことではないのに、何故か流れるその水分。
(――いや、これは僕にも当てはまるかもしれへんな・・・・・・)
もともと、自分は正体がバレれば全プレイヤーに命を狙われてもおかしくない立場である。このゲームが終わって前に居た現実に戻っても、警察に事情聴取という名目上ある意味で保護される可能性だってあるのだ。
それくらいに、今の自分の立場は危うい。既に背水の陣を取っているも同然。バレた瞬間に足場が崩れ、活火山の中にドボンと叩き込まれるといえば、きっとこの少年の立たされている危機が幾分か、分かり易いものになるだろう。
ゾクッ、と少年の背中に悪寒が走った。今まで軽視し過ぎていたが、監視役も絶対の存在ではないのだ。あの男に言われたように、他のプレイヤー同様、この世界で死ねば現実に居る自分も死んでしまうことになる。
その考えに至って初めて、少年は自分の浅はかさに気付かされる。自分の危機感のなさに気付かされる。軽視していた――いや、無意識の内に目を逸らしていた事実に気付かされる。
自分はこの世界を今まで楽しいと思っていたが――それは違う。ただ、感覚が麻痺していただけなのだ。
少年の体に震えが走る。気付かされた事実は、今の少年にとってはあまりにも重い。しかし、それも当然だった。彼はまだ歳にして十三の若輩者だ。今まであらゆる通常とは異なったな環境の中で生きてきたが、人間としての感覚が死んだ訳ではない。死に恐怖をすれば、痛みに泣く事だってある。
少年は戦慄を覚えたためか、体の震えが止まらない。しかし、このゲームの監視役を辞めたいとは思わなかった。
あの男にギブアップするのは、絶対に嫌だ――そんな意地が、少年の心を今も尚支えていた。その支えがなければ――きっと少年は
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