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ソードアート・オンライン 奇妙な壁戦士の物語
第四話 後・ボス戦攻略
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!!」

「でもさ、昨日配布された攻略本に、ボスの攻撃パターンはベータ時代の情報だ、って書いてあったろ? 彼が本当に元テスターなら、むしろ知識はあの攻略本と同じなんじゃないのか?」

「そ、それは・・・・・・」

 誰かの筋の通った一言。しかし、もう言葉という矛を収める事が出来なくなってしまったのか、それはとんでもない事を言い出した。

「あの攻略本が、ウソだったんだ。アルゴって情報屋がウソを売りつけたんだ。あいつだって元ベータテスターなんだから、タダで本当のことなんか教えるわけなかったんだ」

 馬鹿かこいつは――少年はそれを聞いてその声の主を心の中で侮蔑した。このデスゲームは、今や全プレイヤー共通で命が掛かっているのだ。元の世界に帰りたいのは恐らく皆一緒。帰りたくないなど狂気の沙汰といっても過言じゃない。あるいは、感覚が麻痺しているともいえる。

 元の世界に帰りたいのに、元の世界に帰してくれようとしているボス攻略組に、果たしてウソを教えるメリットが何処にあるのだろうか? 否、そんなものは情報屋が狂気に染まっていない限りまず有り得はしない。

 それを考えずに情報を提供してくれた情報屋を逆恨みするなど言語道断。ましてや注意書きにベータ時代の情報と書いていれば、先ほどもいったようにそれを踏まえて慎重に行動するのがデスゲームにおいての鉄則である。復活出来ない以上、命は現実と同じ一個だけ。軽い行動をした方が、むしろこの場合には罪になる。そのせいで、一歩間違えればボス攻略組全員が全滅していたのかもしれないのだから。

「おい、お前・・・・・・」「あなたね・・・・・・」

 二人の声が聞こえてくる。どうやら、少年と同じ考えの持ち主はこの場にも居るようだった。

 しかし、その後の声は続かず、代わりに聞いたことのある声が聞こえてきた。

「元ベータテスター、だって? ・・・・・・俺を、あんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな」

「な・・・・・・なんだと・・・・・・?」

 この声は――現在もパーティーメンバーである、黒髪の少年の声だ。少年がそう認識したとき、既に黒髪の少年は次の言葉を口にしていた。

「いいか、よく思い出せよ。SAOのCBT(クローズドベータテスト)はとんでもない倍率の抽選だったんだぜ。受かった千人のうち、本物のMMOゲーマーが何人いたと思う。ほとんどはレベリングのやりかたも知らない初心者(ニュービー)だったよ。今のあんたらのほうがまだマシさ」

 黒髪の少年の話は、筋が通っている。そもそも条件も無しに抽選などしてしまえば、興味を持った何も知らない者達が大多数になることくらい、誰しも分かる事だ。

 この世界のそれに興味を持つ人口と、MMOゲーマーたちの数を比較すれば――きっとどんな
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