第四話 後・ボス戦攻略
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ド・オブ・ブラッディタイラント》、背中防具である《コート・オブ・ブラッディマーダー》、の鎧を含めると計十種類の被らず全て違う箇所の装備――防具だけであれば、完璧に揃っていた。
どれも装備条件はレベル80で、右手、左手、足、盾の部分には鎧同様に個別に筋力要求値が必要な模様。これを全部装備しようと思えば、筋力値は最低でも150は必要とする、超重装甲だった。ハッキリ言って、この装備の制作者は頭がおかしいとしか思えない。
『お・・・・・・おおおおおおッ!!』
と、装備を見ている間に雄叫びが聞こえてきた。そして次の瞬間には、パリィン! という硝子が砕け散るような音。きっと、モンスターを倒したときにポリゴン片となって砕け散る、あの効果音だろう。
そして数秒後、周囲の壁に掲げられた松明が、暗いオレンジから明るいイエローへとその炎の色彩を変化させる。それにより、部屋の中から薄暗さが消え、すっかり明るくなってしまった。――コボルド王の座っていた玉座の裏を除いて、だ。
途端、後ろ側から歓声が沸く。きっと、ボスを倒したことによる喜びの声だろう。
「――――――――なんでだよッ!!」
と、歓声の声を止める程の勢いで、誰かの声がボス部屋の中に響き渡った。
「――――なんで、ディアベルさんを見殺しにしたんだ!!」
(――いや、ディアベルってこの人のことなら、何とか生きてますけど・・・・・・)
しかし、少年の心の中のツッコミなど聞こえる筈も無く、話は勝手に進んでいく。
「見殺し・・・・・・?」
「俺は見た! ディアベルさんがボスに吹っ飛ばされた時、そのままポリゴン片となって砕け散った姿を! それに――アンタはボスを使う技を知っていたじゃないか!! アンタが最初からあの情報を伝えていれば、ディアベルさんは死なずに済んだんだ!」
誰に言っているのか知らないが、酷い言いがかりである。ポリゴン片となって砕け散ったのは恐らくボス部屋にあった柱のオブジェクトだろうし、そもそもボスの取り巻きが変更されたのは伝えた筈だ。それを踏まえれば、当然ボスの行動パターンも変化することを考えて攻略するのがこのデスゲームにおいては鉄則だといえる。
少年は今すぐにでも弁明するために立ち上がろうとして両手を床について力を入れるのだが――まるで磔にされたように、その体は動かなかった。
《Weight Over》
不意に、そんな警告表示が目の前に出てきた。これはつまり、重量オーバー。恐らく、あの十一種の装備が重すぎるのだろう。
「オレ・・・・・・オレ知ってる!! こいつは、元ベータテスターだ!! だから、ボスの攻撃パターンとか、旨いクエ(クエストの略)とか狩場とか、全部知ってるんだ!! 知ってて隠してるんだ
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