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ソードアート・オンライン 奇妙な壁戦士の物語
第四話 後・ボス戦攻略
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になって知ったが、それはカタナ専用ソードスキル、重範囲攻撃《旋車(つむじぐるま)》。

 C隊と呼ばれていた青髪の青年率いる部隊は、それをまともに受けてしまった。構えていた青年でさえ、それを相殺することはおろか――防御することすらままなっていなかった。

 C隊の平均HPは、見た所既に5割を下回っている。あの一撃で、半分以上のHPが削られてしまったのだ。範囲攻撃であの威力とは――第一層に居ていいようなモンスターと、果たしていえるのだろうか。

 しかし、それだけに止まる事はなかった。床に倒れ込んだ六人の頭を、回転するおぼろな黄色い光が取り巻いている。それは一時的行動不能状態――スタンしている時のアイコンである。

 この中を動ける者は――誰一人としていなかった。次に気付いた時には、既にコボルド王が大技からの長めの技後硬直より回復した時だった。

「ウグルオッ!」

 獣人が吼え、両手で握ったカタナ――いや、少年は見たことがある。あれは野太刀という種類のものだ。大きさこそ違えども、形はまさにそれである。

 その野太刀を床すれすれの軌道から高く斬り上げられたのは――正面に倒れるレイドリーダーの青髪の青年だった。薄赤い光の円弧に引っかけられたかのように、銀色の金属鎧を着こんだ体が高く宙に浮く。ダメージはそれほどではないが、残りHPは先ほどの攻撃もあり既に4割を切っている。これも後で知る事になるのだが、この青年を宙高く浮かせたのは、カタナ系ソードスキルの一つの《浮舟》というものだ。

 青年は空中で長剣を振りかぶり、反撃の為にソードスキルを撃とうとした。――が、システムはその不安定な空中での動作をスキルの開始モーションと判定しなかった。空しく剣をかざす青年を、巨大な野太刀が正面から襲った。

 目にも止まらぬ上下二段の連撃。そこから一拍溜めての突き。これも後で知る事になるのだが、これはカタナの三連撃技である《緋扇(ヒオウギ)》という技だ。

 青年の体に刻み込まれた三連続のダメージエフェクトは、その強烈な色彩と衝撃音で、全てがクリティカルヒットだったことを示していた。青年はまるで砲弾の如き勢いで栗色の髪の少年をも巻き込みながら吹っ飛んで行く。

「ディアベルはん!」

 サボテン頭がそう叫ぶが、今は全員そのような場合ではない。ボスモンスターは既にそこまで迫っているのだ。すぐにサボテン頭を含む全員がボスに向き直りながらも――顔にわずかながら恐怖と憤怒の両方の表情を浮かべていた。

 一方、エリア内にあった柱を次々と破壊しながら吹き飛んだ二人は、最初にコボルド王が座っていた玉座の裏――次の階層へと繋がる二枚扉の前まで吹き飛ばされてようやく止まる事が出来た。

「――ッ! しっかりせい!」

 少年がディアベル
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