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ソードアート・オンライン 奇妙な壁戦士の物語
第四話 後・ボス戦攻略
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 だからこそ、何としても子ボルド王のタゲ(モンスターが標的にすることの略)を自分が受け持たなければならない。戦線を安定させるには、それが一番安全なのだから。

 アイテムストレージ(自分の手持ち品の武器、アイテムなどを保管する倉庫)を確認すると、得体の知れない装備が三つも新しく入っていた――が、今は戦闘中だ。ゆっくりと性能や名前を見ている暇などはない。その中から回復ポーションを取出し、手に持って開封し、一気にポーションを飲み尽くす。

 すると、ジワジワとHPゲージが溜まっていく。SAOのポーションは普通のゲームのように飲んだら即回復というわけではなく、一定時間に一定量の回復、というタイプの回復薬なのだ。これがあるからこそ、レイドを組んでスイッチなどをしてボスに挑まなければならないという訳だ。また、回復ポーションを飲むのにも時間が掛かるため、それも理由に含まれる。

 ――コボルド王のHPゲージの一段目が消失し、再び取り巻きである子ボルド王が壁からポップしてくる。

「――ここからが、本番やなぁ!」

 少年はすぐさま《リニア―》で三体のHPを先ほどと同様にHPゲージ一つ丸々削り取り、再び三体と相手をするのだった――









「よし、最後のポップもこれで終了やな」

 《リニア―》により最後の一体になった子ボルド王のHPを削り切り、少年はふぅ、と溜息を吐いてボスの方を見る。

 コボルド王はちょうど最後のゲージが赤になり、右手に持っていた骨斧、左手に構えていた革盾を同時に投げ捨てたところだった。そして一度高らかに吼え、右手を腰の後ろに持っていく。ぼろ布が粗雑に巻かれた柄を握り、凶悪なまでに長い、曲刀なのかそれともカタナなのか見分けのつかない、そんな武器をぞろりと引き抜く。

「――何や、この嫌な感じ」

 レイドの方を見てみると、レイドのリーダーである青髪の青年がコボルド王のタゲを取っている模様。動きは何処か手慣れている様に見えたが――何かが違う。まるで、パズルのピースが合わないような、そんな感じだ。

「・・・・・・って、いつの間に――何でこれを・・・・・・」

 無意識の内に取り出した《マンイーター》からのドロップ品である回復結晶。しかしそれを再びアイテムストレージに戻すことなく、少年はただジッとコボルド王と青髪の青年を見詰めていた。

「だ・・・・・・だめだ、下がれ!! 全力で後ろに跳べ――――ッ!!」

 誰かの悲鳴にも似た命令。刹那、コボルド王はその巨体が、地響きを立てながら垂直に跳んだ。空中で体を限界まで捻り、武器に威力を溜める。落下すると同時に、蓄積されたパワーが、真紅の輝きとなって全て解放される。

 軌道――水平。攻撃角度――三百六十度。

 少年は後
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