宝箱は謎です
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通り雨だったのか。
さっきまでの土砂降りの雨が、嘘のように晴れた。
「キュー。」
安堵するスラ子だが・・・。
「「・・・。」」
じーっと見つめる2つの視線。
オーガの男性と、ウェディの女性だ。
びしょ濡れ状態のままで、宝箱の間近にいる。
「宝石、これに入ってたんじゃない?」
「蓋が閉まってるぞ。宝石とは別口だろ。」
「風か何かで閉まったとか。」
「ありえん。」
女性の考えを、男性は否定した。
不思議な事に宝箱は、誰かが触るまで開かない。
また、1度開くと2度閉まらない。
置いてある場所から、まったく動かせない。
謎の存在である。
謎といえば、スラ子もだ。
2度と閉まらないはずの宝箱を・・・閉めた。
「そもそも宝箱に入っていたとして、どうして道に落ちている?」
「ん〜、いらなくて捨てた?」
女性の答えに、男性は溜息を吐いた。
「お前さ、手に入れた宝石を捨てるか?」
「・・・捨てない。」
「だろ?」
いやいや、2人とも甘い。
いる!
いるのだよ!
宝石を捨てた子が、ここに!
しかも、このゴミ邪魔って、感じで!
「とにかく、開ければ分かるよね。」
「まぁそうだな。」
「キュ?」
ようやくスラ子は気がついた。
外に誰かいる。
それも複数だ。
誰?と首を傾げ、少しだけ開けて見ようとするが・・・。
蓋が勝手に開いた。
「えっ!?」
「なっ!?」
「キュ!?」
硬直する2人。
女性は、宝箱を開けた状態で。
男性は、覗きこんでる状態で。
まさか生き物が入ってるとは、想像もしなかったようだ。
一方のスラ子は、パニック寸前。
どうしてかって?
宝箱の中で逃げ場がないから!
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