魔法先生ネギま!
0262話
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すっかり忘れていましたわ」
そんな風なやり取りを聞きながら、取りあえず初心者教本の風の項目を開く。
エヴァから貰った腕輪を右腕に装着し、軽く意識を集中する。
『プラクテ ビギ・ナル……風よ』
その呪文を唱えた途端、ほんの微かに周囲の空気が動くのを感じた。
「これも一発で発動が成功するか。お前の才能には驚きを通り越して呆れしか感じないな」
あやかとのやり取りを中断して言葉通りに呆れたように話すエヴァだが、俺はそれを聞き流しながら内心で考え込む。
今の腕輪に込めたSPの量は数値にして10程度だ。だが、昨日同じ程度のSPを消費して初心者用の火の魔法を使った時はエヴァの家の居間が燃えるかと思う程の威力の火が現れた筈だ。
同じ消費SP量にも関わらずこの威力の違いは何だ? エヴァが言っていた腕輪のデメリットである余分に魔力が必要なせいか? あるいは……
「っ!?」
その可能性に思い立ち、再び自分のステータスを表示する。そのスキル覧には火、召喚、影の魔法3つが並んでおり、当然風の魔法に関しては何も無い。
つまりは、そういう事か? この世界限定のルールかどうかは分からないが、ステータスのスキル覧に表示されるスキルはその人物が得意とするものだったり、才能があったりするもの、という訳か?
そして俺はスライムで炎、召喚、影の3つの魔法を吸収したが当然風の魔法は吸収していないから同じ魔法でも『火よ灯れ』程の威力が出ない、と?
決定的な証拠というものは無い。だが、俺の中にあるナニカがそれを真実だと教えてくれているのもまた事実だ。
だが、それが正しいとするのならこれから俺が習得していくべき魔法は自然と決まってくる。当然、俺のスキル覧にある炎、影、召喚の3種類だ。それ以外の属性――氷や風等――に関しても、覚えようと思えば覚えられるだろうがその威力に関しては今の風の魔法で明らかだ。
だが……
「エヴァ、この初心者教本だが影の魔法について載ってないんだが」
「それはそうだろう。それは文字通りに初心者用の教本だ。炎や風といった分かりやすい魔法ならともかく、影の魔法は操影術という風に言われている。つまりはそれなりに難易度の高い魔法という訳だな」
「なるほど。ちなみにエヴァも使えるんだろう?」
「……もちろん使えるが、私がお前に影の魔法を見せた事は無かった筈だというのに良く分かったな」
「エヴァは600年を生きる吸血鬼なんだろう? なら影の魔法とかそれっぽいじゃないか。実際、闇の魔法を吹雪に混ぜて使っていたしな」
俺の言葉を聞き、驚いたのはエヴァに関しての情報を持っていなかったあやかと千鶴の2人だ。信じられないといった様子でエヴァへと視線を向けている。
「その、エヴァンジェリンさんが600
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