〜It works togetherA〜
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翌朝、俺はバイクを異空間から取り出してギルドに向かった
余談だが俺のバイクは大型で黒い。街中を走ると人目につくため、若干遠回りする
「あ!クルスー!」
大きく手を振ってミラが駆け寄ってくる
俺はエンジンを切り、バイクから降りる
「おはよう。ミラ」
「おはよー」
「んじゃ、さっそくだけど行くか?」
ミラはうん!と首を大きく縦に振ってバイクに乗る。俺も続いてバイクに跨った
「・・・?あれ、seプラグは?」
seプラグを付けずに走り出そうとする俺を見てミラが疑問の声を出す
「あぁ。邪魔だから取った。中にラクリマ入れてんだ」
内蔵されているラクリマから魔力を抽出してこのバイクは走っている。まぁ魔力の充填が面倒だが、それを差し引いてもこのバイクは乗り心地が良い
「へぇ・・・じゃしゅっぱーつ!」
「おっけー!」
しばらくバイクを走らせていると海が見えてきた
朝日に照らされて幻想的な光の反射をしている
「きれい・・・」
背中から小さな声が聞こえ俺は肩越しにミラを見た。そこには銀色の髪を靡かせて朝日に照らされる少女の綺麗な横顔があった
「・・・あぁ」
今のミラの感想は海に対してのものだが、俺の言葉はミラ本人に向けてのものだった
「ねぇ、クルス」
「うん?」
一拍空いてミラが話し始める
「クルスは、私を置いてどこにも行かないよね?」
「当たり前だ」
「どんなに危ないクエストでもきっと帰ってくるよね?」
「もちろん」
俺の腰にまわされたミラの手に力が込められる
「私、不安なの・・・、いつかクルスがいなくなるんじゃないかって。お父さんを探しに行っちゃうんじゃないかって」
確かに俺は親父に会いたい。あって、一発殴ってやりたい。だが、ミラを、妖精の尻尾を置いてどこかへ行くなんて考えられない
「大丈夫だ。俺はどこにも行かない」
そういうとミラの手から力がふぅっと抜けた
そして規則正しい寝息を立て始めてしまった
「・・・眠かったのか?」
俺は振動対策してあるバイクから生まれるわずかな振動までも全て喰らいミラを起こさないように配慮した
「着いたな」
港に着くと何やら上流階級の貴族がぞろぞろと船に乗り込んでいた
その少し手前には何やらそわそわした落ち着かない男爵がいた。おそらく依頼人だろう
「ミラ、着いたぞ」
出来るだけ寝起きが良くなるように少しだけゆする
するとミラは跳ね起きた
「はう!?」
「おはよう。着いたぞ」
「えぇぇえ!?嘘・・・」
残念だが嘘じゃない
「折角のチャンス・・・
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