暁 〜小説投稿サイト〜
小料理屋”伴鳥”(ばんちょう)、恋姫世界で営業中! ※地方への出張開店も承っております。
第零話 プロローグ、そして大体こんな感じ
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かにあったはずなんだけどねぇ」

 カウンターにくたっと突っ伏す。はぁと疲れたため息を漏らしながら、死んだはずだった私――伴亜衣梨はぼやいた。

 私がいるのは、最後まで自分と一緒にいた青年――鳥居純吾の店。地元の人達( ・ ・ ・ ・ ・ )にお願いして、協力して建てたそこは10人客を取れれば御の字という猫の額ほどの小さな店。
 彼が前住みこんでいた料亭に似せた内装の珍しさ( ・ ・ ・ )と、そこに住む猫達によるアニマルセラピー。ここでしか食べられない様々な料理。そして何より、店主である純吾の人柄も相まって、店が開けば連日連夜人々がごった返すほどの人気ぶりの、結構いいお店よ。

 いや、まぁ。言いたい事はたくさんあると思うけど、そのまま聞いててほしいの。
 どうして、今私達は生きているのか。いつの間にジュンゴは店を構えて、あまつさえ人気を博しているのか? そんな事を疑問に思うのはもっともだわ。
 まぁ私はそれに加えて、ここでのんびりしてる自分は何をしているんだろうなんて、全く関係のない哲学的な疑問さえ浮かんでくるけど。


 けれども、けれども……


「兄様、頼まれてましたお野菜の下茹で終わりました」

「ん…。ありがと、テンイ」

 おい、なんなのよそこな緑髪娘。そんなうすっぺらい服装して、おでこばかりかおへそまでみせつけて。なに? あれ? 『おへそがキレイだねぇ〜』とまで言われた私に対抗しようとでも言うの? そんなもの、ジュンゴの隣に立って料理して、頭撫でられてる時点でもう十分よヤメテください。

「おとうさ〜ん、ごはんもうすぐ〜?」

「あら、璃々ったら気が早いんだから。純吾さん、どうぞこちらはお構いなく…」

「分かった。…ありがとう、リリ、コウチュウ」

 おい、そこの親娘。気が早いってどういう意味よ、はやく料理ができないかなぁって? それとも、お父さんとして迎える気満々ですよって? そんな露骨なアピール、あなたのお母さんの胸についてるでっかい西瓜だけで十分でしょう?
 こら、少しジュンゴが微笑ったからって顔を赤くするんじゃないわよ。年甲斐もn「あら、何か変なこと考えたんじゃないかしら伴ちゃん?」いえナニもっ!?

「おっ、お師匠様ぁ〜! お猫様が、お猫様がたくさんいらっしゃいます〜!」

「いや周泰殿? 某を師匠と呼ぶのは止めていただきたいのですが……」

 はわわ〜! じゃないわよ、そこのなんちゃって忍者娘。それあんたが言うセリフじゃないでしょう、この前会ったはわわ軍師が草葉の陰で泣いてるわよ?
 それと、うん……何なんでしょうね。忍者娘の受け答えをしているちっちゃい少年は。私よりも背が小さくて、黒い収まりの悪い髪にアーモンドな形の猫目をした、可愛らしい顔立ち。なの
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