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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第十五幕 「学園最強の変人達の末路」
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これだけの生徒の面前で無様に膝をつくわけにもいかない。どうする・・・?勝って終わらせるのがベスト・・・しかし更識流を極めた私の本気とは殺人技も同じ。手元が狂えば・・・
楯無が立場と現実のジレンマに挟まれている中、ジョウは逆にこの状況を純粋に楽しんでいた。
(フェイントにも罠にも引っかからねえな・・・俺の反応速度にもきっちりついて来てるし
隙あらば投げようという気も満々・・・いいねぇ、これだけマジな戦いは久しぶりだ)
どうやら実戦というものをそれなりにこなしているようだ。それでいて才能もあり、それに胡坐をかかずにきっちり鍛えてある。あの独特の(ジョウの見立てではおそらく)柔術自体もかなり優れた技術だ。これはもしかしたら千冬以来の“全力”を出せる相手かもしれない。楯無の動きには慣れてきたが、あちらもこちらの動きに慣れつつある。そういうセンスも彼女の優秀たる所以かもしれない。・・・っと、今回の目的はあくまで別だったな。
ついつい目的を忘れて楽しみたくなってしまうのを堪えながらも正面を見据え続ける。しかしどうしたものか。ケリをつけたくもあるが、彼女の柔術には学ぶべき点がまだありそうだ。もう少し・・・もう少しこのまま続けようか・・・
と、楯無が口を開いた。
「埒が明かないわね・・・」
「ん・・・確かにな」
「私、焦らすのは好きでも焦らされるのは嫌いなの。そろそろ本気出してくれてもいいんじゃないの?」
「う〜ん、アンタみたいな綺麗なレディに頼まれたとあっちゃあしょうがねえな」
「あら御上手♪そんなこと言われたらこっちも“本気”にしちゃうわよ?」
「はっはっはっ!そりゃ結構、男として冥利に尽きるね!」
冗談交じりにけらけら笑うジョウに、楯無も妖艶な笑みで返す。
彼の目的は未だにわからないけれど、
邪
(
よこし
)
まな考えではなさそうであることは何となく理解できた。最初に生徒会室を訪れた時の彼と今の彼とでは、今の方が自然体でいる。事実、今も軽口をたたいて笑うというあの時決して見せなかった態度を見せている。
――決めた。本気を出し、彼を下す。あれだけの実力なら多少のダメージなど何とかするだろう、という信頼を込めて楯無は殺気を全開にする。相対する彼も空気が変わったのを感じ取ったかプレッシャーを増大させる。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
まるで彼らの周囲だけ重力が増したかのような錯覚を覚える取り巻き。中には感じたことのない威圧感に晒されて震えている者さえいる。誰もが本能的に“次で最後だ”と感じ取る。
はらり、と誰にも気づかれずに木の葉が一枚落ちてゆく。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
一夏が唾を飲み込む。箒がこれからの光景を目に焼き付けようとばかりに見つめる。本音と虚が今まで見
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