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ジーク・カイザー〜史上最大の作戦
ジーク・カイザー〜史上最大の作戦
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してみたので、卿の作戦の役に立てばと思って来たのだ」
「ありがたいことだ。それで?」
ミッターマイヤーは力強く拳を握りながら、自らの予測を述べた。
「陛下がお誕生日パーティーを断固として拒否されるのは、『誕生日のお祝いは、姉上の手作りケーキじゃなきゃ認めない!』とかいう、イタイ理由だと俺は思う」
うん?この蜂蜜男、涼しい顔でとんでもない暴言を吐かなかったか?フェルナーは一瞬沈黙してしまったオーベルシュタインの表情を見やったが、いつもと変わらず何も湛えていなかったので、余計に恐ろしくなった。
「ふむ……それは確かにイタイな」
乗った……上官にツッコミを求めるのは無理な話と分かっていたが、よもや肯定するとは、フェルナーにも想定外であった。
「うむ、正直、成人男性としての何かが疑わしいが、この推測には根拠もあるのだ。俺が妻と共に陛下をお訪ねした際、陛下は妻の手料理をご覧になって、『姉上……』と小さく呟かれた」
「良く分かった、ミッターマイヤー元帥。私も同感だ。卿の意見は、必ず本作戦に役立てることとしよう」
両元帥の話は終わり、ミッターマイヤーは足早に廊下へと退室して行った。フェルナーは若き宇宙艦隊司令長官を見送ると、上司に倣い、表情だけは平静のままで恐る恐る問いかけた。
「閣下、ミッターマイヤー元帥らしからぬご発言がおありでしたが……」
閣下も「イタイ」とか言っちゃってましたけど……とは、もちろん言わなかったが、聞く者が聞けば、不敬罪を問われかねない。
「うむ……この件については、皆、疲れているのだ」
オーベルシュタインがそう言って目を閉じてしまったので、フェルナーも追及を断念した。こうして、帝国緒将の日は暮れていったのである。


 新帝国暦2年3月14日。ラインハルトの誕生パーティー当日である。2月末、臣下たちの並々ならぬ苦労の甲斐あって、パーティー開催の許可が下り、接収されたホテルの大広間にて、その催しの準備は進められた。当日準備も国務尚書を中心に滞りなく行われ、あとは開会時間を待つのみである。
「何とかここまでこぎつけたな」
「長い道のりだった……」
会場の片隅で、口々に安堵と疲労の入り混じった感想を語っているのは、この計画の発案者たちである。
「だが……あれほどグロッキーになっている誕生日の主役を、未だかつて見たことがないのだが、卿は一体何をしたのだ」
ロイエンタールの言葉に、一同は本日の主役を遠巻きに眺めた。彼らの若い主君は、その神々しいまでの金髪と美貌を隠すように、椅子に手をかけ、膝を折って壁を見つめている。
「姉上……うう……姉上ぇ……」
すっかり肩を落としている主君の姿から目を逸らした諸将は、ラインハルトを説き伏せた作戦の遂行者へとその視線を移した。
「聞きたいのかね?」
「あまり愉快な話ではなさ
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