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怨時空
第六章 復讐
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止めて下さい。……」
必死で握っていた窓のレバーを香子が指の一本一本剥がしてゆく。レバーから手が離れた。
桜庭は奈落の底を見た。女達が桜庭の体をビルの外に放り出したのだ。地面に向って落ち
てゆく。悲痛な叫びも、何かをつかもうとする努力も空しく、桜庭は奈落の底に落ちてい
った。
へたりこむ秘書に向って中条が言った。
「申し訳ないが、私はこれでお暇します。あんたも見ていただろう。俺は何もしていない。
あいつが勝手に飛び降りたんだ。俺はこの事件とは何も関わりはない」
秘書は、顔面蒼白でただ頷いていた。中条はその場から必死で逃れた。その後姿を見送り
ながら、秘書がにやりとして呟いた。あのしわがれた声だ。
「中条、今度は、また、お前の番だ」

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