暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第十二幕 「スカウト合戦と笑わない兄」
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物に来た子たちが(たむろ)していたんですが、今日は少々様子が違うようで。
ワンサマーは相変わらずなんですがユウ君の周りが、何というかあれです。
一言で言えば、濃いです。

「という訳でだねぇ・・・ぜひとも君にはボクシング部に入部してもらいたいんですよ!一緒にデンプシーロールをマスターしましょう!!」
「何を馬鹿な事おっしゃいますか!!彼には我が空手部こそふさわしい居場所!ともに伝統的空手の常識を打ち破って海外回ったりしましょう!!」
「いやいやここは我ら柔道部にぜひ!!今ならサービスに私が寝技とか教えちゃうよ?」
「お前たち何を言っているんだ!あの突撃力、我ら伝統ある陸上部にこそ・・・」
「部員が足りないんです!人助けだと思って合気道部に・・・」
「我ら格ゲー研究部でモーションキャプチャのお手伝いを・・・」
「サッカー、やろうぜ!!」

「ど、どうすればいいんだこれ・・・」

明らかに周囲とは毛色が違う、というか具体的には2年生が結構混じっている集団の熱烈スカウト合戦のど真ん中で涙目になってるユウくん。
原因は言わずもがな、昨日ユウ君が見せたスタンドと勝負が出来そうな突き(ラッシュ)である。
いくらISに乗っていて鍛えてるからってあの近距離パワー型としか思えないパンチはとてもじゃないが人間の出来る動きではない。もしそんな人間離れした実力を持った、しかも世界中を見ても貴重な男性IS操縦者を自分の部に招き入れることが出来れば・・・その宣伝効果は計り知れないものがあるだろう。

ぎりぎりぎり・・・

ん?何だこの音。まるでスプーンが力ずくで押しつぶされているような音だな。
何所からしているのか知らないけどまあいいか。
ワンサマーも結構な実力を見せつけたが、インパクトの強すぎたユウくんがすべて持って行ってしまったようで一夏の周りにスカウトはほとんど見当たらない。つーかむしろ「助かった・・・」って顔でユウ君の方角を見ながら十字を切っている。やーい見捨てられてやんのー。・・・あ、ごめんなさい別にユウ君が嫌いとかそういう訳では・・・って私は誰に謝ってるんだ。
お、織斑先生が来た。

「お前たち、いつまで食べて・・・というかスカウトしているつもりだ!さっさと教室へ向かえ!!」
「「「「はい!!」」」」
「や、やっと解放された・・・」

ほっと一息ついたのもつかの間、スカウトのせいで食事が全く進んでいなかったユウ君は急いで残りを口の中に放り込み、そそくさと食器を片づけ始めた。やはり男性操縦者はどうあがいても苦労する定めらしい。


みきみきみきみき・・・

んん?なんだこのスプーンがターミネーター染みた握力で圧縮されるような音。さっき聞こえた音と何か関係が・・・?と思って周囲を見渡した私の目に飛び込んできた
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