暁 〜小説投稿サイト〜
ノーゲーム・ノーライフ〜3人目の天才(ゲーマー)〜
第3話〜「  」の素顔、そして、異世界への誘い〜
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とを決意する。
そこで行われたのは「チェス」。
最初こそは空がやっていたのだが、一手、二手―――五手、十手と重ねていくうちに、兄は違和感に気づく。
そこで、すかさず動いたのは白。グランドマスターすら破ったチェスプログラムを先手後手入れ替えで二十連勝した白が。
つまり、世界最高のチェスプレイヤーが相手にするに足ると判断したのだ。
そこからは長かった。
(そら)(しろ)、文字通り、「  」で挑み・・・。
八時間経過したその時―――――。
『チェックメイト』
そんな無機質な音声が「  」である二人の兄妹の“勝利”を宣言した。
「「はぁあああぁあああ〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・」」
大きく息を吐く二人。それは呼吸さえ忘れるほどの勝負だったことを物語る。
長い長い息を吐いたあと、二人は笑い出す。
「・・・すごい・・・こんな、苦戦・・・ひさし、ぶり」
「はは、俺はお前が苦戦するのを見るのすら、初めてだぞ?」
「・・・すごい・・・にぃ、相手・・・ほんとに、人間?」
「ああ、間違いないな。誘いにノらなかったときの長考、仕掛けた罠の不発の時に僅かに動揺が見えた。間違いなく人間だ。――ただし、お前以上の天才(バケモノ)、って可能性もあるけどな」
「どんな、人だろ」
グランドマスターを完封したプログラムを、完封した妹が、対戦相手に興味を抱く。
そんな時―――
―――――テロンッ♪
そんなメールの着信音が響く。
「ん?さっきの対戦相手かもな。開けてみろよ」
「・・・うん、うん」
そして届いたメールには。
一言、こう書かれていた。
『お見事。しかし、それほどの腕前、さぞ世界が生きにくくないかい?』
そんなたった一文で、
二人の心境は―――氷点下まで下がった。
世界から隔離された――十六畳の、狭い部屋。
それこそが、兄妹(ふたり)の世界――全て。
『大きなお世話どうも。なにもんだ、テメェ』
(それ)に返信が――いや、返信というには程遠い、答えになってない文面が返ってくる。
『君達は、その世界をどう思う?楽しいかい?生きやすいかい?それとも―――』
答えは決まっている。改めて確認するまでもない。この世界は―――
―――「クソゲー」だと。
・・・ルールも目的も不明瞭な、くだらないゲーム。
七十億というプレイヤーが、好き勝手に行動して。
勝ちすぎるとペナルティを受け。
――頭が良すぎる故に、理解されず孤立していじめられた妹。
負けすぎてもペナルティを受け。
――赤点が続いて、教師に、親に怒鳴られても笑顔を保ち続ける兄。
パスする権利はなく。
――黙っていればなおも加速していったいじめ。
喋りすぎれば、踏み込すぎと疎まれる。
――真意を読みすぎて、的を射すぎて疎まれる。
目的もわからず、パラメータ
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