暁 〜小説投稿サイト〜
ノーゲーム・ノーライフ〜3人目の天才(ゲーマー)〜
第3話〜「  」の素顔、そして、異世界への誘い〜
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さて、突然だが紹介しよう。
「  」の――その素顔を―――――っ!
「・・・・ぁー・・・死ぬ死ぬ・・・あ、死んだ・・・ちょっとぉ・・早くリザってぇ〜」
「・・・ズルズル・・・足でマウス・・・二つ、は・・・無理、あった・・・」
「いいから早く、リザリザぁ―――つかずるいぞ妹よっ!こっちはもう三日も食べてないのに、なに優雅にカップ麺なんか食ってんの、しかも今戦闘中!」
「・・・にぃ、も、食べる・・・?・・・カロリーメイトとか・・」
「そんなブルジョアの飯、誰が食うか。つか、早くリザれって!」
シュヴァァァ・・・キュリンっ!
「お、サンキュ〜・・・つか、今何時?」
「・・・ん・・まだ、夜中の、八時・・・」
「朝八時を夜中と表現するとは、斬新だな妹よ。で、何日の?」
「・・・さぁ、・・・一、二――四つめの、カップ麺・・・四日、目?」
「いやいや妹よ、徹夜した日数じゃなくてだな・・・」
「ニート、の・・・にぃ、に、関係・・・ある、の?」
「あるだろっ!ネトゲのイベントの開催日とか、ランク大会とかっ!」
――と、十六畳ほどだろうか、そんな中々に広い部屋でネットゲームに興じる一組の男女。
だが、無数のゲームとゲーム機。一人四台――計八台のパソコンが接続された配線は、近代芸術を思わせる複雑さで床を這い、開封されたゲームパッケージと、彼らが「兵糧」と称するカップ麺やペットボトルが散乱したそこに、本来十六畳程あった広さを感じさせる余地は見受けられない。
そんな小さな「二人だけの世界」で、二人は言う。
「・・・にぃ、就職、・・・しな、いの?」
「―――おまえこそ、今日も学校行かねぇの?」
「・・・・」
「・・・・」
以後、二人の間に会話が交わされることはない。

兄――空。十八歳・無職・童貞・非モテ・コミュニケーション障害・ゲーム廃人。
典型的な引きこもりを思わせる、簡素な格好。そして、ボサボサの黒い髪の少年。
妹――白。十一歳・不登校・友達無し・いじめられっ子・対人恐怖症・ゲーム廃人。
血の繋がりを疑うように兄とは対照的に真っ白い、だが手入れされていない様子の長い髪が頭を隠し、転校したその日以来、家の外では着たことはない小学校のセーラー服の少女。
それが「  」――ゲームで「都市伝説」を作った「空と白」というゲーマーの正体である。

―――それから約一日後・・・―――
「  」の、二人の兄弟のもとに一通のメールが届く。
そのメールに載っていたのは、
『君ら兄妹は、生まれる世界を間違えたと感じたことはないかい?』という文面と、
一つのURL。
そのURLに「.jp」などの国を表す文字列はない。
特定のページへの――つまりゲームへの直接アドレスで見かけるURL。
兄妹二人は少しの葛藤の末、そのURLから飛ぶこ
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