暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の十字架
〜It works together@〜
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「ただいまー!」

ナツが勢いよくドアを蹴り破る。もう一度言おう。ナツがドアを蹴り破る
なぜ普通に開けられないのか理解に苦しむところだ

「ナツ!ドアを壊すんじゃない!」

エルザに首根っこをつかまれておとなしくさせられる。その光景は子猫をにらむ大型犬のようだった

「クルス!お帰りなさい!」

「ん、あぁただいま」

ミラがカウンターで手を振っている。そしてそのまま手まねきしだした
俺は荷物を換装先のストックに送りカウンターに歩み寄る

「大丈夫だったの?なんか大変みたいだったけれど・・・?」

心配そうな表情で訪ねてくる
席に着きながら俺はこたえた

「当たり前だ。s級の名は伊達じゃないからな」

「そうね。でもさすがクルス!って感じよ」

?何がだ・・・
俺はミラにいつものウルハ酒を注文する
ミラは嫌な顔一つせず、むしろ喜んでウルハ酒を出してくれる。その笑顔を見るだけで癒される気がした

「ね、クルス」

両手で頬づえをつきながらカウンター越しに話す

「明日って予定ある?」

「いや、特に無い」

それじゃ・・・といってミラはカウンターからでて二階、つまりs級クエストボードに向かった
そしてパタパタと長いスカートときれいな白髪を揺らしながら駆けてくる

「このクエスト付き合ってくれない?」

突き出されたてに握られていたのはs級クエストで男女の組み合わせで片方でもs級魔導士であることが条件のクエストだった。クエストの内容は
クルーザーで出店されるオークション会場の護衛。その後、オークションの品を運ぶために陸に上がってからは鉱山に住み着いた黒バルカンの討伐と護衛
成程。俺の力借りたいのか

「ん?クエスト報酬・・・ってこいつは・・・」

そのクエストの報酬はとんでもなくレアものだった
--フリュージュエリー
超がつくほどのレアもの宝石で、まず市場には出ない。全世界の女性が求める宝石といっても過言ではない

「駄目、かな?」

上目使いでねだられては断るに断れん。まぁ断る気はないのだが

「良いぞ。付き合おうじゃないか」

するとミラは大きく両手を伸ばして全身で喜びを表していた
そこまで大げさにしなくても、と思ったが本人がうれしそうだからそっとしておいた

「じゃ、明日の朝ギルドの入り口で!」

「OK。バイクで良いよな?」

俺の趣味の一つでもあるバイク
ちなみに俺は換装の魔法が少しだけ使える。と言ってもエルザのように武器ではなくて、魔道四輪車や魔道二輪車(バイク)といった物が専門だ
ストックはその二つとクエスト用荷物だけだが・・・

「うん!明日の朝、楽しみね!」

「久しぶりだな、ミラとクエスト行くのも」

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