魔法先生ネギま!
0260話
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視ではない。空中に魔法陣が浮かび上がり俺の拳を受け止めているのだ。
「くくっ、ただでさえ奥の手を幾つも隠し持っているお前に無防備に挑むとでも思っていたのか? それに今の私はお前の血のおかげで全盛期に近い力を取り戻している。念動力とか言ったか? それにしたって……」
念動力で縛り付けられている筈の身体を真祖の吸血鬼としての膂力で無理矢理動かし、徐々に念動力を打ち破っていくエヴァ。イメージ的にはロープで縛り上げられていたのを力尽くで引きちぎるというのが近いだろうか。
「素早く動けるのは自分だけだと思うなよ?」
そう告げたエヴァの姿が一瞬ぶれたかと思うと、次の瞬間にはその場からいなくなり俺から5m程離れた場所へとその姿を現していた。
これが以前から何度か聞いていた身体強化魔法、か?
「頭上に注意だ」
ニヤリとした笑みを浮かべながら魔力がエヴァの身体から迸る。
『氷神の戦槌』
呪文を唱える事も無くワンフレーズで発動したその魔法は、俺の頭上に巨大な氷の塊を産み出してこちらへと落下して来る。
「加速っ!」
精神コマンドの加速を使い、エヴァとは逆の方向へと移動して距離を取る。だが……
「甘いぞ」
エヴァの攻撃は留まる所を知らず、再びその小さな身体から魔力が迸る。
『氷槍弾雨』
氷の矢とは比べものにならない程長く鋭いそれは、先程チャチャゼロとやりあっていた時に撃ち込まれたのと同じ物だろう。その槍をスライムを使って防ぎつつエヴァとの距離を測る。
魔法陣による障壁があろうと、そうと知ってさえいれば俺には精神コマンドの直撃というある種反則じみた術があるのだ。唯一の難点はその効果をエヴァに知られてしまう事だが、この模擬戦を引き受けた以上は今更そんな事を気にしてもしょうがないだろう。
意識を集中しながらエヴァとの距離を測り、口を開く。
「そろそろ決めさせて貰うぞ」
「ほう? 次はどんな隠し球を見せて貰えるのかな?」
からかうようにそう言いつつも、エヴァも油断する事無く身体から魔力を迸らせていつでも魔法を使えるように準備している。
その様子を見ながら脳裏に空間倉庫のリストを表示し、スタングレネードを選択する。ちなみにこのスタングレネード、普通とは違って閃光を重視する作りとなっており、音自体は殆ど出ない閃光弾とでも呼ぶような代物だ。
「ふっ!」
鋭い呼気を吐きつつ、スタングレネードをエヴァの方へと放り投げる。
「何だ、またこれか? そうそう同じ手段が私に通じると……」
呆れたような口調のエヴァが再び氷の盾を作り出そうとするが、遅い!
殆ど無音で爆発したスタングレネードが、周囲の空間を圧倒的なまでの光で埋め尽くす。
「ちぃっ
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