黄巾の章
第18話 「……心配なのですよ、貴方のことが」
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、東へと疾走りだした。
その後ろ姿を、ぼーっと見つめてしまう。
「そ、孫策、さま?」
董卓軍の兵に何度も声を掛けられ、肩を揺さぶられるまで、わたしの意識が元に戻ることはなかった。
―― 韓忠 side ――
「将軍! このまま東ですか?」
「ああ……だが、馬がちいときつくなってきたな……奴らを撒くにしても、どこかで休ませねぇとだめか?」
「それなら……確かこの近くに邑があったはずです」
「あ、それ、俺がいた邑です。ここから東に十里(五km)ほどですが」
ほう……邑、ね。
そういや、ちっと腹も減った。
糧食なんて持ってきてねぇし……ここらで補充しておくか。
「ならあいつらが足止めしている間に、そこへ身を隠すぜ。ついでに邑で飯と金を奪えばいい」
「しょ、将軍!? お、俺の邑に……ゲフッ!」
「あ〜ん? なんかいったか?」
俺の剣がそいつの腹に深々と刺さっている。
「安心しな。その邑の食い物と金は、俺が有効に使ってやるよ……じゃあな」
「ぎ、ぎざ、ま……」
「ふん!」
俺が足でそいつを蹴り倒して、剣を抜く。
そのまま落馬して、動かなくなったそいつを、周辺の兵が青い顔で見ている。
「んじゃいくぞ……ああ、そうだ。女がいれば好きにしていいぞ。そうだな……俺はこの人質をいただくか」
俺は未だ膝の上に横たわる女を持ち上げて、首筋を舐めた。
女の苦悶の表情が、俺の劣情を掻き立てる。
へへっ……今夜はいい夜になりそうだぜ。
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