暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross storys〜
episode of cross:終着
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コロス、という声とともに漆黒の光が、もはや原形を忘れたような異形の影を包む。ソレの頭上に、音もなくウインドウが浮かんだ。そこには《The Human》と表記してあった。人間と言うらしいソレが作り出した(正しくはゲツガとシキなのだが)クレーターの淵に、セモンは立っていた。
「へぇ、お前が人間ってか。なかなかジョークが効いてんな」
「…………………ギッ!!」
ぎらり、と。真紅に光り輝く二つの瞳がセモンに向けられる。
獣のようにぎりり、と歯が噛み締められる音がここまで届いてくる。それに精一杯に不敵な笑顔を返しながら、セモンは口を開いた。
「いいぜ、来な。お前をブッ飛ばして、誰もが笑えるハッピーエンドって奴にしてやるよ」
そう言い放ち、セモンはしゅりんと音高く愛剣を抜き放った。
高くなってきた太陽の陽光が、鈍い銀色の光を撒き散らす。その光を受けて、にちゃり、と音を立てるように《ザ・ヒューマン》が嗤った。
外周部から流れ込む陽光が、樹々の隙間に反射した時───
「……………い……くぜッ!!」
「…………ギャギッギィィッ!!!」
両者の足元が爆発したように爆ぜ、両者が停滞した時間の中で動き出した。
「シッ!!」
先手はセモン。手の中の愛剣《ソード・オブ・アマノムラクモ》に真紅の光が宿り、見えざる手に強引に突き動かされるごとく閃光とともに加速する。
ジェットエンジンのようなサウンドエフェクトとともに、片手剣重単発技《ヴォーパル・ストライク》が《ヒト》の名を冠するソレに突き立った───ように見えた。
チッ!というセモンの舌打ち。
背から飛び出た細っこい腕達が強引な力技で、セモンのソードスキルを受け止めていた。受け止められなかった衝撃が、腕の何本かに伝わって消滅させた。
ギィアァァアアアアアア!!と、耳障りな悲鳴が耳朶を打った。
だが、その声の中には受け止められたことに対しての歓喜の念が入っているかのように思えた。
それを聞き、セモンは再度にやりと笑う。
「おいおい、これっくらいで喜んでんじゃねぇぞ」
言葉と同時に、それの体を踏み台にしてくるりと一回転しつつ、鋭く距離を取る。それを追おうとしていた《ヒト》が突然、つんのめったようによろめいた。
にわかにその動作が、油の切れた歯車のように動きがぎこちなくなる。ソレは、信じられないように己の体、正しくは胸の辺りを見る。
よく眼を凝らさなければ見えないほどに細い糸、
鋼糸
(
ワイヤー
)
が突き立っていた。
ぎろり、と両目がセモンを見る。いや、正しく言えば、その遥か後方だろうか。
「へっ、今頃気付いたのかよ」
笑うセモンの背後、【サンカレア】の街並みの中で一番高い建造物である時計塔の屋根
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