暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross storys〜
episode of cross:終着
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自らの居場所に戻る、五人の影を。

それを見

「…………はぁ」

再びため息をついた。










───────────────────────────────────

そこは、真っ白な空間だった。

そこには、無限とも言える数のウインドウがまるで渦のように空中に漂っていた。そして、その渦の中心。

上と下の感覚が麻痺しそうな白い床の上には、同色で周囲の空間に溶け込みそうになっている白いテーブルが合った。上品なデザインで、洋風な家の庭先に置いてありそうなものだった。

その上には二つのティーカップ。こちらも色は白。

そこに向かい合って座る、二つの影があった。一人は小柄で、一人は背が高かった。

「………これでまた一つ、あのお方の脚本(シナリオ)はページを進めた、か。さぞご満悦でしょうね?カーディナル?」

ティーカップを取り上げ、その香りを咀嚼するかのように楽しんでいた、真っ白な髪を持つ少女はそう言った。それに対し、真反対に座るカーディナルと呼ばれた、漆黒のタキシードを着込んだ男が応える。

「そうでもないさ、イヴ。思ったよりもアレの働きが悪くてな。ここで系譜が途切れてしまうかと、ヒヤヒヤものだったぞ」

「………………………………………」

淡々と言うその男に、鼻息混じりの一瞥を浴びせながらイヴと呼ばれた少女はカップを軽く傾ける。喉に雪崩れ込んでくる爽やかな香りに一瞬むせ込みそうになったが、素知らぬ顔をして我慢する。

それを見透かしているようにカーディナルは面映そうな顔をし、喉の奥でクックッと嗤った。

それをイヴがキッと睨むと、おぉコワいコワい、とわざとらしくシナを作る。

「………あなたはどちらの味方なの?」

「味方とは?」

聞き返すカーディナルに、イヴはフッと笑って何をいまさら、と言う。

「決まっているじゃない。《運命》を壊そうとする者と、護ろうとする者。あなたはどっちの味方なの?」

「さぁ?私はただ、面白い方につくだけですよ。それはあなたも分かっているでしょう?」

「………………そうね。愚問だったわ」

恥じ入ったように、もう一口とカップを持ち上げるイヴに、今度はカーディナルが訊く。

「あなたはどうなんです?イヴ。どちらにつくのか」

「私、は……………」

「……………………………………」

何も言わず、ただ微笑の色を顔に貼り付けている漆黒のタキシード男の前で、イヴと呼ばれた純白の少女は数秒間黙考した後

「……………どっちなんだろうね?」

言った。

「私の考え、と言うか予感を言いましょうか?」

「えぇ。お願い」

脚本(シナリオ)だと、あなたはこれからある
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