予想外の珍事
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だ
それ故に、こういう自分が体験したことのある悲しみを他人に味あわせることへはかなりの抵抗を感じるらしい
「だから、私は二人を認めようと思う。リーファとユウキがリンとどんな関係を気付いても、それを認める。でも……」
シノンは今まで浮かべていた微笑を引っ込め、どこか拗ねたように、でも恥ずかしげに顔を赤らめながら口を尖らせた
「私のことも忘れずに愛して欲しい」
「……そんなことは当然だろ? 三人とも支えられる程度には成長してみせるさ」
そう言うとリーファは突然涙を流し始めた
理由を聞くと微笑みながら答える
「だって……私、リンのこと、ずっと好きだったんだよ?告白を断られてもこの気持ちはずっと燻ってたしね。ちょっと思い描いていた状況とは違うけど、本当に嬉しいんだよ」
「はぁ……俺はそんなに慕われるような性格をしてないと思うがな……」
「現に三人いるじゃん! それに精神的に弱ってる時にあんな言葉をかけられて落ちない人はいないと思う」
先ほどからの笑顔とは一転、じとーとした眼で俺を見るユウキ
その言い方だと、俺が弱みに付け込む外道だと思われないか?
「あー……確かにリンってたまにそんなこと言うよね」
「シノンさんもそんな感じですか?」
「シノンでいいよ。リアルでも呼び捨てでいいからね。っと話を戻すと、その通り。あれは本当に嬉しかったな……」
遠い目をしてボーっと夢見心地になるシノン
それを見て黄色い歓声をあげるリーファとユウキ
「ガールズトークはその辺にしてくれ。俺がついていけん」
「あ……ごめんなさい」
「うう……ごめんね?」
「……ごめん」
俺は軽く手を叩いて、確実に俺の存在を忘れているであろう三人の意識をこちらに向けさせる
三人の会話がエスカレートした場合、確実に俺はいたたまれなくなって遁走していただろう
過去を振り返ることは大事だが、なかには振り返ってはいけないこともある
別に後悔したり、恥ずかしかったりすることはないのだが、目の前で延々と聞かされるのはさすがにごめんこうむる
「さてと、そろそろあっちに戻ってキャリバーの話をしなくちゃいかんな」
「あー……そういえば……」
「キャリバー?」
「ここで説明するのは二度手間になるからな。あっちで説明するよ」
無駄な波風が立たずに済んで、一安心といったところだろう
ハーレムね……現代日本でなにを考えてるんだか
まあ、後悔はしてないし、これからもしないさ
俺は俺だ
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