Chapter-2 第6話
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“ぱふぱふ”というものが出てきたもんで、男共がどっと押しかけてくるんだ。そんなのに興味は無い俺としては迷惑なんだが」
「そうなんですか…僕もパスしたいですね」
「そうしたほうがいいぜ。お前はラダトーム戦士団なんだろう?もしかして任務か終わった途中かできたんだろ?支障をきたさない為にもな」
「ええ、正解ですね。あ、このオレンジ味ください」
「まいど!」
ハルカは歩きつかれた体をオレンジ味の砕き氷(かき氷)で少し癒しながら町を歩いていた。
するとドン!と何かにぶつかった。ハルカはよろけ、少し氷をこぼしてしまった。幸い、何者かは歩いてきたらしくそんなに衝撃はなかったため持ち直した。
「すいません!」
女の人の声がした。ぶつかってきた人だろう。その若い女はどこか元気のない表情だった。
「いえ、僕は大丈夫です。どうなされました?」
「あ…なんでもないです。気にしないでください。後でお詫びはしますので、私はこれで…」
「クレア、まだ回復してないんだね?無理するんじゃないよ」
別の方向から中年女性が現れた。クレアという若い女の友人らしい。
「すいません…」
「若いお兄さん、クレアって子はね、2週間前に夫を亡くしたばかりなんだ。よほどショックだったんだろうね。クレアの為にプレゼントを買いにリムルダールへ買い物に行ったものの、魔物に襲われてね…。あ、いや、遺体はここへ運ばれていないし、旅人の若い男から口で伝えられたから本当かどうかはわからない。けれどこのご時世、本当だと信じる人も多くてね、クレアも信じてショックを受けたんだ。おっとすまないね、あたしは邪魔だったかい?」
「いえ。情報をありがとうございます。クレアさん、あまり無理はしないでくださいね」
「ありがとうございます。私は失礼します。セリアさん、行きましょう」
「そうだね。若いお兄さん、あんたは強そうだけど、魔物には気をつけなよ。ここら辺より強いらしいから」
セリアと呼ばれる中年女性とクレアはハルカに頭を下げ、住宅街のある方向へと去っていった。
(僕も油断ならないな…。リムルダールは次行く予定だからな。あ、氷少し溶けてる。まあいいか)
温泉施設と宿屋のある方向へ歩いていくと、甲高い声が響き渡る。そしてその方向には男達が押し寄せていた。
「さあさ!見てらっしゃい寄ってらっしゃい!この娘が“ぱふぱふ娘”だよ!大きいだろこの胸!背は小さいのに凄いだろ!1回20Gだ!さあ、早く早く!」
これが“ぱふぱふ”か。意味は戦士団の仲間から聞いたことがある。ハルカは無視して立ち去ろうとした。
「何言う!お前はいい金になるんだ!もっと働くんだ!」
「いや!あたしは嫌!」
そんな会話がハルカには聞こえてきた。集まる男達には聞こえていないらしい。声の主は見えない。テントの頭は見えた。
(…
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