Chapter-2 第6話
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は竜王軍に滅ぼされた小さな村でも野宿をした。
滅ぼされたといっても人は1人だけいた。その老人は何も言わず、ハルカの侵入を許した。
そこでは、特におかしなことは起こらなかった。
それが逆に妙な感じもする、とハルカは笑った。
(それにしても面倒くさいな。帰りはキメラの翼でいいか)
体力は使うといっても、体力自体もついてきた。行きは徒歩でいけるにしても、帰りは面倒になると感じた。
頻繁には使わないにしても、幾らか使いたいとハルカは思っていた。
何も無い小さな村を後にし、さらに数日歩いた。
マイラの近くに来た。ハルカはふと、北西に人影を見つけた。
そちらはまた、“雨の祠”といわれる場所へ通じる道である。
(何してるんだろう?)
ハルカはその人影に近づいた。その人影は形を成した。小太りの中年男で、どこか胡散臭い雰囲気であった。
「おお、そこの若いの、世界樹の葉は要らんかね?」
男は一枚の葉を取り出す。それはどう見てもどこかで適当に取ってきたようなよく見る葉っぱだった。
当然、ハルカはそれを偽物と見抜いていた。
「それ、偽物ですよね?僕は本物を見たことがあります。世界樹の葉はアレフガルドの外のどこかにある島で取れる貴重な葉です。ここアレフガルドにも幾つか入ってきますが、それは皆ラダトーム国家が管理している。そして持つことが許されるのは城にいる高等な僧侶のみ。そんなものがこんなところにあるはずはないですから」
ハルカがそう言い放つと、男は大声で、カッカッカと笑った。最初から見抜かれることを前提としているような様子だった。
「お見事。お前はただの人間ではないな。ただの人間なら最初はコロッと騙されるんだよ。金額を言うと皆買うのをやめるんだがな。ちなみに薬草と同じ値段だ」
ハルカはキョトンとした顔で男を見つめた。僕を試していたのか?だとしたら何故?というかこの人、何者?
「どういうことです?僕を試していたのですか?」
「まあな。お前が“雨の祠”にいける資格があるかどうかを試していたんだ。とりあえずは合格だ。今は通せないぜ。まだ未熟って感じだからな」
「……はあ」
ますますこの男の正体がわからない。敵ではなさそうではあるが。
「まあ、僕は今からマイラのほうへ行くのでいいんですがね」
「そうか。気をつけていけよ」
ハルカは男に会釈をすると、この場を立ち去った。
(この人は魔物に襲われないのだろうか?まあ、ただの人じゃなさそうだけど)
その日の夕方、ようやくマイラへついた。
マイラは多くの人で賑わっていた。
夜店や屋台も多く並んでいた。まるで何かのお祭りのようで。
「今日は何か特別なものでも?」ハルカは砕いた氷に甘いシロップをかけて売っている男に話しかけた(所謂かき氷屋)。
「うーん、以前はもう少し静かなんだがな。
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