第八章 望郷の小夜曲
第四話 ハーフエルフの少女
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お前たちと言うことか」
士郎の脳裏に浮かんだもの。
それは―――。
こちらに手を伸ばし―――。
笑いかけてくる―――
―――女たちの姿であった。
シロウさん
アルトに聞きました
あなたは自分の主を守るため
七万の軍勢に立ち向かったそうですね
アルトはシロウの無茶もここまできましたかって、呆れていましたが、わたしは……とても呆れてなんかいられません
あなたはとっても優しい人です
強くて
大きくて
暖かくて
ねぇ
シロウさん
エルフを怖がらない不思議な人
料理がとっても上手な人
笑った顔が不思議と幼い人
あなたは、きっともう直ぐここから出て行くことでしょう
また会えるとあなたは言っていましたが、絶対なんてものはないってわたしは知っています
もしかしたら、シロウさんとはこれっきりかもしれない
そう思ったら
シロウさんにわたしのことを知ってもらいたいって、急に思ったんです
ごめんなさい
突然変な話をしてしまって
何故だが分からないですけど……本当に突然そう思ったんです
少しでもいいんです
わたしのことを覚えててください
一月にも満たない日々の中
あなたは
褒めてくれた
怒ってくれた
優しくしてくれた
叱ってくれた
教えてくれた
遊んでくれた
わたしを
普通の女の子にしてくれた
そんなハーフエルフがいたことを
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