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剣の丘に花は咲く 
第八章 望郷の小夜曲
第四話 ハーフエルフの少女
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る鉄の冷たさよりも、自分を見る士郎の目に怯え、上げようとした声を喉の奥に飲み込んだ。
 男が黙り込むと、士郎は喉元に突きつけた剣を外すことなく、一つ一つゆっくりと言葉を口にした。

「お前たちは何者だ、ここにいる者で全員か、何の目的でここに来た」
「お、俺たちはよ、傭兵だ。こ、ここにいるので全員だ……が、ガリアの参戦でアルビオンが降伏しちまって、ほ、報酬が無くなっちたから、だ、だからそこらの村から金になりそうなもんでも戴こうかと」

 嘘を言えば殺すと目で訴える士郎の様子に、傭兵は震えながらも士郎の問いに答えていく。
 暫くの間、士郎の問いに傭兵が答えるという時間が過ぎ。士郎が粗方聞き出した頃、後ろで草を踏む音が聞こえた。

「シロウさん。だ、大丈夫ですか?」
「ああ、問題はない。それよりこいつらの始末だが、どうするか。このまま逃せばまた同じことをするだろうしな」
「ひっ! ひい!」

 士郎が剣呑な目で男を見下ろすと、物騒な気配を感じ取った男が悲鳴を上げた。男は縋るように士郎の後ろに立つティファニアに視線を向ける。
 その瞬間―――。

「ひいぃッ!! え、エルフぅッ!!? ひ! ひぃいい!!」
「っ!?」

 男は先程以上の悲鳴を上げ、縛られた姿のまま出来るだけティファニアから逃げようとし、ティファニアは辛そうに顔を俯かせる。そして、その様子を士郎は眉を顰めながら見つめていた。恐慌をきたした男を気絶させると、士郎は顔を俯かせるティファニアの頭にぽんっ、と手を置いた。

「俺はこいつらを森の外の村まで連れて行って引き渡してくる。こいつらの様子だと前科がありそうだからな。帰りは遅くなるだろうから気にせず寝ててくれ」
「あ、あの、わたし……ぁ」

 何かを言おうとするのを強めに頭を撫でることで止めた士郎は、戸惑うティファニアの背中を押す。

「セイバーに事の次第を伝えておいてくれ」
「は、はい」

 小さく頭を下げ、逃げるようにその場を離れていくティファニアの背中を、複雑な視線で見ていた士郎は、小さく溜め息を吐いて気を切り替えると、

「……ふぅ……どうやって運ぼうか?」

 縛り付けた男たちを運ぶための方法を考えるため頭を捻り始めた。



 
 













 夜の帳が降りた森は、唯一の光である空からの光が、森に茂る木々の枝葉に遮られ、伸ばした手が消えてしまう程の闇が広がっていた。
 そんな文字通りの一寸先は闇の森の中を、歩く人影があった。
 人影は闇に沈む森の中を、危うげのない足取りで歩いている。

「随分遅くなってしまったな」

 人影―――士郎は大量の食料が入った袋を背中に抱えていた。
 傭兵たちは、やはり前科があり、そ
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