第三十四話 征途
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う、副司令官の自分より参謀長のメルカッツの方が階級が上なんだから。まあ俺はお飾りでメルカッツが司令官と考えればそれほどでもないかもしれん。奴にはそう言ってやったんだが問題は割り切れるかどうかだな。
それと副参謀長がゾンバルトだ。艦隊の編制表を見た時には目が点になったわ。奴はあの黒真珠の間の一件で閑職に回された。まあ一応エリートコースを歩いていたゾンバルトには屈辱だっただろう。それで雪辱の機会をとラインハルトに今回の遠征に参加を志願したらしい。ラインハルトはゾンバルトの参加は許したが条件を付けた。俺の下で働けという事だ。
こういうところはラインハルトは厳しいよな、少しは耐える事を覚えろ、そんなところか。気持ちは分かるが押付けられた方の気持ちも考えて欲しかった。トリューニヒトを押付けられたロイエンタールの気持ちがよく分かるよ。まあゾンバルトは出世欲は有るが底は浅い、それにグリルパルツァーとは違って俺の目の届く所に居る。注意すれば大丈夫だろう。
副官のコンラート・リンザーと従卒のコンラート・フォン・モーデルは自ら志願してきた。キフォイザー星域の会戦でどうやらウチの人間がこの二人を救助したらしい。その所為で二人は直接にはキルヒアイスと接触しなかったようだ。本当ならリンザーはワーレン、モーデルはアンネローゼの所に行くはずだったんだが……。
俺が追撃を止めて救助を優先しようと言った事もその時聞いたようだ。律義にも助けられた恩を返したいという事らしいがこういうのは困るんだ。恩に着なくても良い、多少遅くなってもキルヒアイスがお前達を救助したんだから。それにモーデルはアンネローゼの所に行った方が良かっただろうし……、ちょっと複雑だ。
分艦隊司令官はまあそこそこ信頼しても良いだろう。問題は司令部要員だ。……全然分からん、ラインハルトが選んだのだから或る程度の能力は備えていると思う。今までの所でおかしな行動をする奴はいない。大丈夫だとは思うのだが……、溜息が出そうだ。
ミュラーから聞いたんだが作戦主任参謀のエンメルマン大佐は士官学校で俺達と同期生だったらしい。もっとも彼は戦略科で俺は兵站科だ、あまり接点は無かったから俺が知らなくてもおかしくは無い。おまけに俺はシュターデンに睨まれていた。出世したい奴は俺には近付かなかったはずだ。昇進が遅いようにも見えるが戦闘で負傷して長期療養していたというからその所為だろう。無能が理由だとは思いたくない。
ウチの人間も来たがった。キアとかウルマンとか俺を一人にするのは心配らしい。アンシュッツも誰か連れて行けって言ってたが断った。海賊は出来るだけ戦争を避けるべきなんだ、軍人とは違うんだからな。あくまで金儲けが仕事で人殺しを仕事にするべきじゃない。
俺が海賊になって行った軍事行動は二つだ。一つはウチにチ
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