私、飛ばされます
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私は、動かしてしまいましたか」
欲まみれの研究員(鈴木さん)を他所に、黄昏そうになった。
いや、現実逃避した。
「そんな現実逃避しないの。楽しくやりましょう!?」
楽しんでるのは、あなただけですよ。
周りは、忙しなく動いてますけど、かなり真剣な顔つきで。
「今日の朝、篠ノ之束博士は、来てませんか?」
気持ち切り替えて聞いてみる。
「来たよ!来たよ!!凄いんだょ、やばいだよ、天才だょ」
くねくねしている。
少々気持ちが悪い。
「画面見てただけど半分くらいしかわかんなかったよ。あれは凄いのね。私たちが理論の状態なのに、それを実践しているし、四分一以上は、わけがわからなかった。」
「────え」
アレを理解したの?
高速で変わるプログラムを見ただけで………。
しかも、大体、半分を理解しているわけか?
うん、両方規格外。
「まだまだ勉強が足りないなぁ〜」
私は、しかめ面だろうな。
どれだけ、憧れても、僕は、この様な天才には、なれないだろうな。
「うん、それより実験♪実験♪真後ろは見えてる。」
うれしそうに鼻歌を歌いながら言う。
「見えてるよ、数字の三が書かれてるだろ」
だんだんと実験が進み。
「じゃあ、飛んでみて♪」
忘れてたことを思い出す。
「…え、もう一度、言ってもらえますか?」
「飛んでみて♪♪」
実験のデータ取れてご満足の鈴木さんとものすごく不満な私。
「いやだ」
はっきりと答えがそれが癪に触ってのか。
「飛べ♪」
満面の笑みと言葉だが、目だけが笑ってない。
「ま、待て、交渉しよう。私は、あなたの望みを叶えられる」
飛ぶ以外の選択を狙う。
「じゃあ、空、飛んで♪」
確実に選択権を奪われ
「……はい」
と言うしかなかった。
私は、自分に暗示をかけた。
私は、飛び、高く高く。
下を見ないようにする。
けれど、ISが必然適に、360度の視界が入るので、当然下も見える。
私は、呟く。
「高いところは、怖くない高いところは、怖くない高……」
そして気を失った。
ベットの上で目覚める。
あれ、何してたんだっけ、実験に付き合ってあれ?
うん、途中で寝てしまっただな。
高所恐怖症の私が飛ぶわけがない。
飛べるわけない、高所恐怖症だから。
私は、飛んでいたことをすっかり忘れていた。
追伸
私が墜落してから、一人だけ、「データ、データ♪貴重なデータ♪デートじゃないよ♪データだよ♪♪」
と私の心配もしないで、データ取っていたとかいないとか!?
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