第四章 空白期編
第百十四話 『陸士訓練校の変わったトリオ(後編)』
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いよ。あっても二人に話せるようなものでもないしね」
リオンはそう言って少し暗い表情をする。
やっぱりなにか隠しているのかしら?
「そ。まぁ、いいわ。それじゃスバルは…?」
「あー、それじゃ驚かないでね? 実はあたし、普通の人じゃないんだ」
「は…?」
「戦闘機人って知ってる? 違法の技術だけど、ギン姉とあたしは体に機械が埋め込まれているんだ」
「あんた…軽く話すわね? いいの? そんな重要な話をしてもらっちゃって…」
「いいんだ。二人には話しておきたかったから」
それからスバルは色々と経緯を話してくれた。
ここまで話されたんじゃあたしも話さないわけにはいかないじゃない。
それで兄…ティーダ・ランスターの事を話すことにした。
「兄さんはあたしの憧れの人だったんだ。でも違法魔導師の追跡で手傷を負わせはしたんだけど取り逃がしちゃってその返り討ちのせいで死んじゃった。
でも、そこまでならまだよかった。でも、兄さんの遺体はどこかに隠されたのか行方不明になってしまったらしいの。
だからお墓には骨は入っていないのよ。
しかも、兄さんの上司は、
『犯人を追い詰めたくせに取り逃がすなんて首都航空隊の魔導師としてあるまじき失態だ。
たとえ死んでも取り押さえるべきだった。しかも行方不明になるなんてどういう事だ。馬鹿者め!』
とか、ふざけたことを言い出したのよ。果てには『任務を失敗するような役立たずは云々…』とか言い出してさ。
その上司はそれが原因で退職させられたらしいけどね。いい気味だわ。
それで、だからあたしは兄さんの、ランスターの魔法は無駄じゃなかったって事を証明するために今頑張っているのよ」
それを話終わるとスバルとリオンは二人して涙を流しているのだった。
「ちょ、どうしたのよ二人共…?」
「お兄さん、可哀想だよ」
「うん…」
「……………、ありがとう、二人共」
兄さんのために泣いてくれる二人に感謝をしておいた。
それから他にもまるで本当の友達のようにあたし達は会話をしていった。
◆◇―――――――――◇◆
そして卒業式の日、
「それじゃティア、スバル。進路は別だからトリオはここで解消だけど絆は一緒だからね?」
「うん、リオン!」
「あなたも頑張んなさい」
「うん。最後に聞いておきたいことがあるんだけどいいかな?」
「なに? 言ってみて」
「うん。前に言えなかったことなんだけど、もし、もしもだよ? 私が危機に陥ったら…その時は、助けてくれるかな?」
「当然だよ! あたし達は友達なんだよ!」
「ま、その場面に出くわしたらできるだけ助けてあげるわ。でも、本当にあんたの進路ってどこなの?」
「ごめん…それだけはやっぱり秘密なんだ」
「そっか…連絡が
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