第四章 空白期編
第百十四話 『陸士訓練校の変わったトリオ(後編)』
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揃って騒がしいなぁ…。
それから挨拶だけするって約束が結局フルで付き合ってしまった。
そしてなんかナカジマのリボルバーナックルの話になると少し声のトーンが落ちた気がした。
それであたしは聞いてみると、
「リボルバーナックルね…母の形見なの。母は両手で使っていたんだけど、今は私とスバルで片方ずつね」
「あたしが右利き。ギン姉が左利きで使っているんだ!」
「へー、そうなんですか」
リオンさんは素直に感心しているけど、あたしは以前にちょっと意地悪なことを言った覚えがある。
それを謝らないといけないわね。
リオンも気づいたのか、
「ティアナはやっぱり優しいね。スバルに謝ろうとか考えているでしょ?」
「言わないでよ? 恥ずかしいんだから…」
「うん!」
どうもリオンって子がいまだに掴めないわね。
先を見透かされているような感じだわ。
それから寮に帰ってナカジマが寝ている間にリオンさんも手伝ってくれてあたしはリボルバーナックルを綺麗にしてやった。
そして朝になりナカジマが何度も聞いてくるけど何度も躱していく。
その度にリオンさんはクスクスと笑っている。
覚えときなさいよ…?
それで謝ったのはいいけど、
「いつかのアレ…? え?…え? ランスターさん、何かしたっけ?」
ナカジマ自身が覚えていないという始末である。謝りぞんだ!
それでまた一方的な口撃をカマしてしまい周りから笑われる始末であった。
それから気まぐれであたしはナカジマの事をスバルと呼び、リオンさんの事をリオンって呼ぶと二人共揃って、
「「うん、ティア!」」
「ちょ…! どうして二人共知っているのよ!?」
「ギン姉に話したでしょ?」
「私はスバルに聞いたんだよ」
「友達とか仲良しの子はそう呼んでいたって…」
「あたしとあんた達とは友達でも仲良しでもないっ!」
「「でも、今はトリオでしょ?」」
「ああ、もうなんでこんな時だけアンタ達二人は息がピッタリなのよ!?」
「だから呼ばせて…仲間としての呼び方として」
「私もティアって呼びたいな」
あたしはそれで顔が赤くなってくるのを抑えられない。
まったくもー、こいつら二人は恥ずかしがらずに言うんだから!
それで結局あたしが折れる形で承諾してしまった。
もう、しょうがないわね。
でも、あたしはこの時に気づいておくべきだった。
リオンとはともかくスバルとはかなり長い付き合いになってしまう事に…。
◆◇―――――――――◇◆
そんな訓練校の日々を続けていき、とうとう卒業が迫ってきたそんな時に夜に三人で込み入った話をしようという事になった。
「それじゃまずリオンからかな? リオンはどんな秘密を持っているのかな?」
「そんな…そんな重要な秘密はな
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