第四章 空白期編
第百十四話 『陸士訓練校の変わったトリオ(後編)』
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色々と話を聞いてくる。
「スバルはどうですか? 迷惑はかけていない…?」
「妹さんは優秀ですよ」
「はい。最初はムラがあったのに今ではもうしっかりとしていますから。個人成績も上位なんですよ」
「本当に…? それならよかった。それでランスターさんとネームレスさんはご家族は…?」
痛いところをついてきた。
でも今のうちに言っておくのもいいだろう。
もうナカジマとリオンさんにも話してあることだしね。
「あたしは…一人です。両親はあたしが生まれてすぐに、育ての兄も三年前に事件で…それで天涯孤独ってやつです」
「私も…生まれた時からすでに一人だったので親の顔は知りません」
「ごめんなさい…」
それでギンガさんは申し訳なさそうに謝ってくる。
「気にしないでください」
「はい。私達は気にしませんから」
「あたしは兄の残してくれた遺族補償もありますし…」
「私もちょっとした場所からお金はもらっていますから」
「そう…ランスターさんは遺族補償ってお兄さんも局員?」
「はい…」
「憧れだったりする…?」
「今も憧れています…」
ギンガさんはそう…と行った後、空を見上げながら、
「ランスターさんもネームレスさんもスバルから聞いているかな?
うちも母が亡くなっているんだ。私達がまだ小さい頃なんだけどね」
「はい、聞いています」
「私も聞きました」
「スバルがやっているシューティング・アーツね…あれもともと母がやっていたの。
だから私は小さい頃から、スバルも基礎くらいはやってたんだけど、あの子って少し臆病なところがあるでしょ?」
「あ、はい」
「それは時たま感じます」
ナカジマって時々怖気付く事があるのよね。
「それで、怖いのとか痛いのとか他人を痛くするのとかが嫌だからってあんまりシューティング・アーツをちゃんとやっていなかったのよ」
「そうなんですか」
「今からは少し想像つきませんね。スバルは勢いがありますから」
「うん。それも理由があってね。あの事故からSAも魔法も真剣にやるようになったの」
「「あの事故…?」」
あたしとリオンさんは同時に首をひねる。
それでギンガさんは気づいたのか、
「聞いていなかったのね。去年の春に起こった空港火災なんだけどね」
「あ、空港一個丸々ダメになったっていうあれですね?」
「そんな事があったの…?」
「リオンさん、あんた知らないの? 結構有名だったのよ?」
「う、うん…その頃はまだ目覚めていなかったから…」
「目覚めて…?」
「あ! ううん、なんでもないよ!?」
なんか気になる単語を聞いたけどよくわからないので今は放っておこう。
「続けるわね? スバルと私はその事故に巻き込まれちゃったの」
「え…?」
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